連載も4回目になりました。
え? 失速? してませんよ?
無意識にこれまで書いてきた形式を中途半端に踏襲しようとしているところがあり、自分の反応に少し戸惑っていますが。
今回はネタバレ版ですからね。
かなり好き勝手書くことができます。
『まめたん』で気になったところを、良かったところも悪かったところも、つらつらと書いていきます。
- 作者: 芝村裕吏
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/02/21
- メディア: Kindle版
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今回の記事は、既に読んだ方と『だよね~』と語れるような内容を目指しますので、読んでいない方はぽかんとしてしまう記事だと思います。
ご了承ください。
最大の驚き「え!? 戦争するの!?」
最大のネタバレは、このポイントだと思います。物語も終盤。
完成し、試験運転のために富士の施設にやってきた、12台の自律型歩兵代替兵器、通称『まめたん』。
さて、これから試験運転だ、というシーンで、外国勢力に、基地が襲われます。
このフィクション日本は、リアル日本のように平和を謳歌しているとばかり思っていました。
ショック。
合い言葉の興奮
なんか、ヤバい!と感じた我らがヒロイン、コミュニケーションのとれない女代表! 藤崎綾乃たん!彼女は、自分のかわいいまめたんを起動して、謎の武装勢力に反撃を図るのです。
起動して、モードを変えて、戦闘に移っていくときの「合い言葉(パスワード)」が、かなり素晴らしい。
起動時 :私の可愛い丸い子供
戦闘モード時 :私の可愛い祖国
裏戦闘モード時 :私の可愛い彼
……彼?
デレッデレやないかい!
これだから急にリア充化した奴は……ブツブツ……
「私の可愛い丸い子供」は、かなり声に出して読みたい日本語だと思います。
まめたん、強い
なんか、思ったより深刻に侵攻してきていた謎の敵軍。まめたんが格納スペースから出撃すると、番をしていた自衛官が死んでいました。
私はこれに、少なからず驚きました。
この物語、人が死ぬんだ。
リアリティレベルの感覚とか、読者としての心構えとか、そういったものを改める必要性を感じました。
それを言うなら、同僚がいきなりポックリ過労死したときも、かなりショックでしたけどね。
そんな状況だから、まめたんもたくさんの敵と会敵しますし、どんどん敵を殺しまくります。
想像してみてください。
直径1m、6本足のロボットと対峙する敵の気持ちを。
相手は怖がりません。
機械の正確さで射撃してきます。
1発や2発当てても、人間みたいに痛がりません。
互いがデータリンクしているから、一台のセンサーをつぶしたところで構わず撃ってきます。
というか、データリンクしてるせいで、思わぬところから撃ってきます。
自分が「こいつと戦ってる」と認識している以外のまめたん個体も、「あ、自分の位置から狙えるな」と判断したら最後、正々堂々なんていう考えはなく、自分のことを構わず撃ってくるのです。
愛らしい感じに描かれている「まめたん」ですが、敵からするとホラー映画の化物みたいなものです。
私は絶対戦いたくない。
その分、敵を相手に大活躍するので、気持ちいいんですけどね。
階段をのぼる、まめたん。
落ちてくる手榴弾。
足を引っ込めて、階段を転げ落ちて回避するまめたん。
強い。
かわいい。
純情すぎる諜報員 信士君にもの申す
綾乃たんがデレる相手は、同僚かと思いきや自分を護衛していた諜報員、伊藤信士(しんし)君です。こいつです。「私の可愛い彼」。こいつです。
こいつ、純情すぎやしませんかね?
綾乃たんと過労過労した生活をしてるとき、うっかり綾乃たんの部屋で眠ってしまうんですよ。
そうしたら、起きるやいなや、「責任とる」みたいなことを言い出すんですよ。
そういう人やそういうキャラがいるのはいいけど、これで諜報員は無理じゃないかなぁ、と思いました。
しかし、信士君は綾乃たんのどこが良かったのか、是非聞いてみたいところです。
実は結構綾乃たんのルックスがいいのか、優秀さに惚れたのか。それとも、読者も知らない可愛いところを見つけたのか。
甘々な恋愛と理系の思考回路と、意外や意外のドンパチも読める小説
『富士学校 まめたん研究分室』芝村裕吏
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