1.日本は少子高齢化
某著名人の講演を見てきました。本筋ではないのですが、「これからの日本は少子高齢化がますます進む。仕事もどんどんなくなるぞー」という内容が印象的でした。
少子高齢化の理由の一つは、晩婚化や、そもそもカップルが成立しないことです。
20代の70%に恋人がいないなんて調査結果を見たこともあります。
そういう記事を見たとき、「そりゃ、日本じゃカップル成立はなかなかしないだろうな」と思う理由があります。
かくいう私も、学生時代なんて彼女はいなかったのですが……。
……今? ……ど、ど、童貞ちゃうわ!
2.創作が悪い!
カップルが少ない理由の一つとして、世間にあふれているフィクションの内容が偏っていることが、圧倒的に作用しています。これは間違いない。確信しています。
結論からいうと、フィクションの改善なしに、日本の少子高齢化改善はありえません。
フィクションのなにが悪いか。
カップル成立を阻害してることだよ!
これは、よく言われるような「オタク向けコンテンツの悪影響」という話ではありません。
メジャーどころの創作物はほとんど、恋愛描写に問題を抱えています。
(恋愛描写がある場合)
実は、特に問題が根深いのは、オタクコンテンツ以上に「ドラマ」ではないかと思います。
3.フィクションにおける、恋愛の順序
フィクションでの恋愛の進み方は、だいたい以下の二通りです。パターン1
- 知り合う
- Dan Dan心惹かれてく
- 好きだと自覚する
- 口説く
- なんやかんやあってカップル成立
パターン2
- 知り合う
- 片方が一目惚れ
- 口説く
- なんやかんやあってカップル成立
共通点
上記の二つの重要な共通点はどこか、おわかりでしょうか?30秒ほど、お考えください。
わかりましたか?
そう。
「口説く」の前に「好き」があるのです。
それも、「口説く」の手前の「好き」は、生半可なものではありません。
「この人が運命の人だ!」レベルの「好き」でなければ、フィクション世界の彼らは異性に接触しようとしません。
4.視聴者の反応
フィクションを見て、「現実と混同する人」は、実はそうそういません。しかし多くの視聴者は「影響を受ける人」にはなってしまいます。
フィクションを「現実と混同はしない」が「影響を受ける」人はどうなるか。
そこそこ好感を持っている異性と接したとき、「この人のことを『運命の人』レベルでは好きでないな」と判断し(現実とフィクションの見分けが付いているため)、「だから、口説くのは不誠実だな」と考えてしまう(フィクションに影響されているため)のです。
フィクションにどっぷり浸かっているオタクだって、わかるのですよ。
「この人とつき合えても、結婚までは行かないで別れる確率が高いよな」と。
「『運命の人』と呼びたいほどには、この人のことを好きではないな」と。
だから「行動を起こさない」のが正しいのです。
「誠実に」行動するのであれば。
行動を起こさなくても、女性はなんとかなることもあります。
異性に接近するのは、未だに男側の役目ですから。
積極的な男性に口説かれるかもしれません。
男は、うっかり女性に接近しすぎたらセクハラと言われ、接近しないと草食系と呼ばれるだけならいい方で、異性関係がまるで発生しない確率が非常に高くなります。
「消極的な女性」は、「この人のこと、そんなに好きじゃないな」と感じても「仕方ないよね。誘われたし」となる可能性があります。
しかし「消極的な男性」にわざわざ声を掛ける女性は、まずいません。
「あ、相手が自分のことを好きなんだから、自分が好きでなくても仕方ないんだな、付き合うんだな」とは、なりません。
どこか宇宙の片隅で起きているかもしれませんが、大多数の私とあなたには発生しません。
5.だから、どうすればいいか
フィクションにおける恋愛描写を、全面的に変えろと言っている訳ではありません。ただ、「運命の人との出会い」「心から好きになったから異性と接近する」というのが、「甲子園優勝する」「殺人事件を解決する」「超サイヤ人になる」レベルで「発生しにくい事象だ」ということが、無意識のレベルに共有されればいいのです。
恋愛は、ファンタジーバトルより「身近に起こりえること」ですからね。
ついついみんな、フィクションをお手本に考えてしまうのでしょう。
だから私はラブコメ以外で、以下のような行動を肯定する描写を増やしてほしいのです。
- 運命の人という確信なんかないが、口説いてみた
- 恋愛感情は盛り上がっていないが、一緒に暮らすと楽そうだから、楽しそうだから結婚した
- とりあえず恋人かほしいから頑張る
- 健全に別れる
そして、最終的には「運命の人」になんか出会わなくても、幸せに暮らすというラストを。
こういう描写がフィクションで増えて、「カップルを作る」「結婚する」ことが「日常的な、大したことないこと」と捉えられるようになる。
これが、少子高齢化への対策として不可欠だと思うのです。
(今井士郎)
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