今日も元気に問答御用

アラサーサラリーマンが「考え方を考えてみる」「考えたことを書き残す」ブログ。本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

たった1週間で、アフィリエイト収入を前月の60倍に到達させた私がやったこと(あるいは、エセ科学の疑い方)

本日の話題。「圧倒的な収益アップ」

3月8日までで、3月分のGoogleアドセンス収入が、2月の60倍に到達しました。
今回は、その秘密を大公開しようと思います。

一体なにをしたかというと!
……特になにもしていません

他にも、いろいろな表現の仕方はあります。

  • 2月は2月3日が初更新だったけど、3月は3月2日に初更新したんだよ! とか
  • 3月は朝食のパンを四枚切りにしたんだ! とか

そろそろ、私がなにを言いたいか、わかっていただけたでしょうか。

つまり、3月序盤の収益アップは、何かのノウハウによるものではないということです。
偶然とか巡り合わせとか、そんな風に表現するしかないなにかが起きたのでしょう。

もう一つ、私が意図的に表明していない事実があります。
一体何円から何円になって「60倍」になったのか、ということです。

私は先月末の記事で、2月のアドセンス収入は「切手が買えるくらい」と表現しました。
その60倍に達した今月の収入は、松屋のミニ牛丼がたべられないくらい」です。

そう。絶対額が小さいから、ちょっとした増減が、ものすごい倍率に見えるのです。

今回のデータを元に「Googleアドセンス収入を60倍にする方法」を「誰かに教える」ことはできません。
しかし、こういう事実をもとに「Googleアドセンス収入を60倍にする方法」を語ってしまう人も、世の中には存在します。
その中の一つが「エセ科学」を語る人たちです。
科学っぽいが、科学らしい裏付けは取れていない。
そんな人たちが使う「騙しの手法」について、今回は書いてみたいと思います。

エセ科学」における「データ」の出し方

前々回の記事は、「水素水」の胡散臭さをアピールする内容でした。

「水素水」に健康効果があるかはまだ結論が出ていないようですが、少なくとも水素水の効果を訴えるサイト多くは、「充分に科学的な説明」をできていないという印象を受けています。

科学的な話題を紹介する一手法として

  • 説明すべき科学的事実や仮説を示す
  • 上記を説明するためのデータを示す

という手順があります。

今回は、「科学的でない」データの扱いの例を、いくつか紹介します。
少なくとも、今回示す例のいずれかが当てはまることが明確なのであれば、その主張をしている人は信頼に値しません。
逆に、何かを説明されてデータを示された時は、以下のいずれかに当てはまらないか、少し疑ってみてください。

1.データのねつ造

これは、分かりやすいですね。
提示したデータが、そもそも存在しない場合です。
これは明確な嘘ですから、データを示した人に「騙してやろう」という悪意があることがわかります。

例1:アフィリエイトの場合
「2月と3月の収益を比較」しても、60倍になんて上がっていない。5円が10円になっただけ。でも、「収益を60倍にした方法」として公開してしまおう。

例2:ダイエットサプリの場合
あるダイエットサプリに効果があると示すために、「服用した人の体重が5kg減った」と言おう。
本当は、全然減らなかったけど。
または、そんな実験していないけど。

ダイエット商品の宣伝写真(「こんなに痩せました」っていう比較写真)を撮影する手法として、「先に『痩せている』写真を撮影しておく」(太る方が簡単だから)という物があると聞きます。
もしそんな手法をとっているとしたら、それはデータのねつ造です。

これに騙されない一つの方法は、「データの出所」を確認することです。
信頼できる機関が発表したデータであれば、「都合良くねじ曲げられた」可能性は低いと期待できます。

ただし、今回のブログ収入のようなデータの場合、私の収益情報を持っている「信頼できる機関」なんてありませんから、詰まるところ「今井が本当の話をしているか」、適度に疑うしかありません。

2.切り取り方が不適切

記事の冒頭で私が書いたのは、このタイプです。
今回の収益結果を元に、「毎月最初の更新は、2日までにするべき。3日では遅すぎる」と判断したら、早計というものです。

「こうしたら」「こうなった」という事実があっても、「こうしたら」「間違いなくこうなる」といえるとは限りません。
充分に条件の整った実験を、必要なサンプル数だけ実行して初めて、「こうしたら」「こうなるものだ」と主張することができます。

また、科学的に誠実な命題を設定する場合、仮説の形は
「こうしたら」「間違いなくこうなる」
というものとは限りません

「こうしたら」「こうなる可能性が比較的高い」
というのも、大事な仮説です。

例1:アフィリエイトの場合
今井が朝ご飯を「4枚切りのトーストにした」時に収益が上がった。
つまり、4枚切りのパンを食べると収益が上がる。
→サンプルが1件では少なすぎます。
 今井の別ケースや、他のブロガーの収益でも追試して、同様の傾向が出たら、初めてこれを「正しそうな内容」として主張できます。

例2:ダイエットサプリの場合
ダイエットサプリを飲んだAさんの体重が減った。
つまり、このダイエットサプリを飲むと痩せる。
→Aさん以外でも、同じ効果が得られるでしょうか?
 Aさんで試した場合でも、「常に」同じ効果が得られるでしょうか?
 というか、Aさん、別のところでカロリー制限したり運動したり、サプリの効果以外で痩せてないでしょうか?

これに騙されない一つの方法は、「データの取得方法を確認する」ことです。
誠意ある主張者であれば、「どんな実験を行ってデータを取ったか」、きちんと公開しているはずです。
公開されていれば、内容に妥当性があるか検証できます。

3.結びつけ方が不適切

実験結果は事実だが、その事実と仮説が、全然結びついていないものです。

例1:アフィリエイトの場合
マウスのクリック連打ゲームをプレイすると、クリック速度が速くなる。(という事実があったとして)
だから、ブログ読者にクリック連打ゲームをプレイさせることで、アドセンス広告をより多くクリックさせることができる。
→「読者のクリック速度が速いこと」と「広告がより多くクリックされること」は、必ずしも結びつきません。

例2:ダイエットサプリの場合
このダイエットサプリは、非常に燃焼しやすい物質である。
だから、摂取することで脂肪の燃焼を促す効果がある。
→脂肪の「燃焼」と一般的な「燃焼」は別の現象ですからね。
 また、「燃焼しやすい物質である」ことと「周囲の物質を燃焼させやすい」ことも、イコールにはなりません。

これに騙されないためには、「きちんと論理を整理する」ことが大事です。
論理力次第でおかしさに気づけるので、自衛ができる望みも、比較的高いです。
相手が「間違っている」「騙しに来ている」可能性を、充分に疑いましょう。

おわりに

どうだったでしょうか?
提示した類型の中に「あ、これだと騙されたことあるかも」なんてものはありましたか?

騙しの技術はまだたくさんあるのでしょうが、世の「不誠実な科学」の相当程度は、今回示した類型に含まれると考えています。

他に「こんな騙しがあるよ」という面白い方法を知っている方は、教えてくれるとうれしいです。

私たちは、真偽不明な情報の溢れるネット社会に生きています。
油断するとあっさり騙されたり、デマに荷担したりしてしまうことになります。
情報に接するときはきちんとふるい分けを行い、被害者や加害者にならないように気をつけたいですね。

なお今井は、先日のLINEの障害に当たって、「公式アカウントのツイートをリツイートすれば、お詫びポイントプレゼント」というデマを一瞬信じて、リツイートしてしまいました。
デマの主は、「LINEのトラブルは味噌汁をサーバにこぼしたから」というツイートを流していたアカウントでした。
恥ずかしかった……。
(今井士郎)

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

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