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「12のゼロ」は、デタラメすぎる。希望の党がヤバい理由

絶対に議席を取って欲しくない『希望の党

衆議院総選挙が近付いてきました。
小池百合子氏率いる「希望の党」の趨勢が話題になっていますが、アレはヤバいです。ヒドいです。
「12のゼロ」というスローガンを掲げていますが、これは政治家として非常にヤバいです。
私の想いとしては、他のどの党に投票してもいいが、希望の党だけはやめていただきたい*1
なぜ、希望の党がヤバいのか。
「12のゼロ」のヤバさについて、ご説明します。

「12のゼロ」の中身

12のゼロの中身は、以下の通りです。

(1)原発ゼロ
(2)隠蔽ゼロ
(3)企業団体献金ゼロ
(4)待機児童ゼロ
(5)受動喫煙ゼロ
(6)満員電車ゼロ
(7)ペット殺処分ゼロ
(8)フードロスゼロ
(9)ブラック企業ゼロ
(10)花粉症ゼロ
(11)移動困難者ゼロ
(12)電柱ゼロ

全部手打ちしましたが、書いててクラクラしてきました。

なぜ、「12のゼロ」はヤバいのか

それぞれの「ゼロ」を実現するとしたら、相当のお金がかかります。

国会の大きな役割に、行政に割り振る予算の最適化があります。
世の中には解決すべき問題が無数にあります。
政府だって、問題は極力解決したいから、予算の範囲で頑張っています。

例えば、認知犯罪者の検挙率は、可能なら100%にすべきです。
「デメリットなく、認知犯罪者の検挙率を100%にできる」のであれば、100人中99人は「検挙率を100%にすべきである」と言うでしょう。
しかし実際のところ、犯罪者の検挙率は30%前後で推移しているようです。*2
なぜ、こんなに低いのでしょう。

端的に言えば、警察の捜査力には限界があるからです。
警察官は25万人いるそうですが、認知犯罪件数は年間100万を越えてますからね。全ての事件に潤沢な人員は配置できません。
予算を大幅に増やし、警察力を増強すれば、検挙率は上がるでしょう。
しかしそれをしないのは、もっと他にお金を使うべきところがあるからです。

福祉にお金を使わないといけない。
教育にお金を使わないといけない。
治安維持にも、防衛にもお金を使わないといけない。
こっちにお金を割り振ったら、どの程度のメリットが発生するのか。
こっちからお金を削ったら、どの程度のデメリットが発生するのか。

それらを真剣に考えて最適なバランスを模索するのが、政治の仕事なのです。

ここまで書いたら、もう分かると思います。
12のゼロは、バランス感覚をぶん投げて、「あれもやります」「これもやります」と宣言しているから、ヤバいのです。

花粉症ゼロ、それにはどのような手段を用いるのですか?
その手段を実行するには、どの程度の予算がかかるのですか?
予算はどこから捻出するのですか?
財源が見つかったとして、その財源は本当に、花粉症ゼロ実現のために配分するのが最適なのですか?
その財源は本当に、電柱を引っこ抜くのに使うのが最適なのですか?

他の使い方をした方が、国民の幸せにつながるのではないですか?

「解決した方がいい」問題は、世の中に山ほどあります。
しかし多くの問題は、最適な予算配分のバランスを考慮した結果、仕方なく解決を断念されています。
熟慮して政策を論じるのであれば、
「○○の予算を□割増やします。それによって、問題の△△%解決が期待できるはずです」
といった表現になるはずなのです。

12もの根の深い問題に対して

「あの問題、気になりますよね! 大丈夫! ウチなら完全解決します!」
「この問題、気になりますよね! 大丈夫! ウチなら完全解決します!」

なんて言ってる人が、真面目に政治を考えているわけはないんです。
他の部分をボロボロにして無理矢理解決するつもりなのか、解決の手段なんてまるで考えてないだけです。
まぁ、希望の党が政権をとった場合、高確率で関係ない部分はボロボロにするし、掲げた問題も解決も改善もしないのだろうと思いますが……。

最後に

自民でも公明でも立憲民主でも共産でも、他の党でもいいです。
希望の党だけは、やめてください。
なんの権威も権限も持たない、いち有権者としてのお願いです。
(今井士郎)

*1:今のところ自民党支持なので、本当はそちらを歓迎しますが。

*2:警察庁発行『平成26,27年の犯罪情勢』を参照しました。