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ゲーム理論をかる~く体験したい人に!? ライトノベル『数字で救う! 弱小国家』(ネタバレなし版)

今回は、電撃文庫からライトノベルを紹介します。 長田信織『数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする』です。
長いよ。

あらすじ

ポスドクの若き数学者ナオキは、引っ越しのアルバイト中に近世ヨーロッパ風の異世界へ転移してしまった。そこは、戦争に汲々とする弱小国家ファベールだった。
ナオキが迷い込んだ小屋で出会った小屋の主は、ファベールの王女、ソアラ
ソアラは、封建的な世界にあって「理論的思考」をしてしまうばかりに孤立している。ナオキはソアラの唯一にして最大の理解者となり、ファベール存亡の危機に立ち向かうのであった。

評価

まぁ、ライトノベルです。
良くも悪くも。
非常に軽く読めるのは事実ですし、そこそこ面白い。

しかし、やはり本作の特徴である数学と絡めてきたというところは、一定の評価をしたいところです。

amazonでもレビューしましたが、私は

  • 内容は、ライトノベルとして及第点の星3つ。
  • 数学を頑張って絡ませていることを評価して、プラス1の星4つ

と評価しています。

展開や考証に雑なところはあるかもしれませんが、登場人物の心情の動きも、きちんと辿りやすく書かれていますし、読みやすいですよ。
そして、数学、特にゲーム理論をまじえてくれたことが、個人的に嬉しい。
好きなんですよね。ゲーム理論

高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)

高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)

「現実の人間にとっての効用を、いかに数字のモデルに当てはめるか」
「仮定されたモデルにおいて、人はどのような行動をとるか」

説得力のあるモデルを見せられたときや、仮定したモデルが実験と合致したときは、感心しますよ。
自分で実験をできたわけではないので、数例の実験結果を授業で紹介してもらっただけだったはずですが。

「本作の『数字』って、ほとんどゲーム理論ばっかりじゃないか」という批判もあります*1が、行動経済学*2というとゲーム理論ですから、そこは大目に見ましょうよ。

おすすめしたい人

電撃のサイトで、試し読みをしましょう。
試し読みで「面白そう」と思った人は、面白く読めると思います。

正直、人を選ぶ作品だとは思います。
初歩的(高校~大学初級レベル)な数学が登場して、ほんの少し軽さを損なっているが、重厚なわけではない。

ライトノベルは好きだが、ちょっとした数学も楽しめるよ」という、ちょっとわけ分からない層に向けた作品です。

まずは軽い気持ちで、試し読みしてみましょうよ。
(今井士郎)

実は、理系ラノベではこっちの方がオススメ。

2018/2/20 関連記事を投稿しました。

*1:amazonレビューより。

*2:人が利得を求めた場合に、どう行動するかを研究する経済学のこと。「数字」で「人の行動を予測する」といったら、まずはこれが出てくる。