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パシフィックリム・アップライジング こんなに喧嘩の弱いジプシーは観たくなかった

【注意!】※本記事は、映画『パシフィック・リム アップライジング』のネタバレを含みます。※

春の情報処理試験が終わりました。

これまでしばらく勉強を頑張っていたので、「自分へのご褒美」したかったんですよね。

なので、観てきました。

パシフィック・リム アップライジング』。

前作、『パシフィック・リム』は、大好きな作品なんですよね。昨年の後半くらいから、本作の予告編が映画館で流れ始めていて、観るたびにワクワクしていました。

奮発して、アップライジングもMX4Dで観ちゃいましたよ!!

総評

……え……?

なにこれ……?

……えーと、5つ星満点で星2つってとこですね……。

前作のいいところを踏襲せず、かといって、別に前作の弱点を補ったわけでもなく。

ただただ、残念な思いをして帰ってきました。

ということで今回は、何が面白くなかったのかという感想の愚痴記事です。

パシフィック・リム アップライジング』の残念ポイント

いろいろ残念ポイントはあるのですが、前作を観て覚悟していた部分はあったのですよ。

前作だって、突っ込みどころはたくさんあったんです。

ただ、それを補ってあまりある魅力があっただけで。

だから、別に気にしませんよ?

マコだけが無人イェーガーの拠点に気付いた理由がなにも説明されなくても。

東京都心から10キロ圏内くらいに富士山があっても

東京の町並みがなぜか簡体字であふれていても

日本が最終決戦の舞台だと言われた時点で、なんちゃって日本程度は笑って受け入れる覚悟はありましたとも。

問題は、最終決戦が、全然面白くなかったことですからね。

という訳で、本作品の残念ポイントをご紹介していきます。

イェーガーが、ひたすらに、弱い

最大の欠点から行きましょう。

パシフィック・リム』という作品の最大の強みは、「アメリカンオタクが、潤沢な資金で、大真面目に、最高に格好いい巨大ロボット映像を、実写で作った」というところにあった訳です。

「格好いい」ロボットです。

リピートアフターミー。
「格好いい」ロボット。
巨大ロボット。

ガンダム』ならモビルスーツ

ボトムズ』ならアーマードトルーパー。

フルメタ』ならアームスレイブ。

そして『パシフィック・リム』なら、イェーガーです。

正直、「KAIJU」の造形は特別好きではないので、イェーガーの魅力が前作でも大半だったと思っています。

そんなイェーガーの、今作での戦績を見てみましょう。

V.S. 小型イェーガー『スクラッパー』

イェーガー廃棄施設の警備に当たっていた「ノヴェンバー・エイジャックス*1」が戦闘。膝までしかないサイズのスクラッパーに散々逃げ回られ、バッテリーを使用したスタン攻撃で動きを封じられます。

一応、すぐに再起動してスクラッパーを追い詰めますが、「圧倒的な戦力差がありながら、いいように扱われた」という印象が拭えません。

V.S. 無人イェーガー『オブシディアン・フューリー』第一ラウンド

会議の警備についていた「ジプシー・アベンジャー*2」が戦闘。

ミサイルをバカバカ打ち込まれて翻弄され、クリーンヒットの一つも与えられず*3に、前作の主人公格であった森マコの乗るヘリを落とされ、逃げられる。

V.S. 無人イェーガー『オブシディアン・フューリー』第二ラウンド

マコの残した情報に従って敵拠点にやってきたジプシー・アベンジャーが戦闘。

プラズマキャノンナックルで動力炉をえぐり出し、オブシディアン・フューリーを打倒する。

貴重な。あまりにも貴重な一勝です。

V.S. 暴走無人イェーガー軍団

シャッタードーム*4に押し寄せてきた、暴走イェーガーとの戦闘。 基地はぼろっぼろに破壊され、司令官も殺害され。

警備イェーガーは一撃くらわせて1体を撃破するも、あとはやられます。

そして、起動できなかったほとんどのイェーガーも、棒立ちのままで破壊されます。

暴走イェーガーの足元をちょろちょろしていた主要キャラが全員生きているのは、かなり不思議でした。

最後は、暴走イェーガーに仕掛けられた自爆装置?の起動で勝利。

喧嘩には負けっぱなしです。

最後に立っていたものが強い? この映画、そういう作品でしたっけ?

巨大怪獣と巨大ロボットのロマン溢れる殴り合い映画ですよね?

V.S.怪獣3体

訓練生機3体を含む、イェーガー4体で怪獣と戦闘。

効いているんだか効いていないんだか分からない機銃掃射はクリーンヒットします。

あと、チクチクと刃物で攻撃して、ちょっと出血させてましたっけ?

特に勝ち目は見えないな、と思っているところで、怪獣が合体しちゃいます。

V.S.合体怪獣

喧嘩をしていて、クリーンヒットは皆無でした。

主人公の号令で「一斉突撃」を繰り返してましたが、まったく勝機のないバンザイアタックにしか見えませんでした。

タイミングを合わせるのはいいけどさ。それに意味はあるのかい?

好き勝手にボコボコにされ、辛うじて動けるのが主人公機、ジプシー・アベンジャーのみになり、ジプシー・アベンジャーはロケットパンチ特攻*5で合体怪獣を殴り飛ばす。

そしたらあら不思議、怪獣が死んじゃった。

Oh……。

おわかりいただけただろうか

この作品、基本的に巨大ロボット、イェーガーがやられっぱなしなんです。ほとんどの戦いで、一撃も当てずに負けてしまいます。
最後の一撃も、なんか怪獣が空気を読んで死んでくれたという風にしか感じられず、カタルシス皆無でした。

前作は、そんなことはなかった。

冷静に見ると結構あっさりやられていたクリムゾン・タイフーンチェルノ・アルファも、怪獣に痛そうな一撃を与え、手傷を負わせていました。

今回は、そういうシーンがほとんどありません。

格好いい巨大ロボアクションが見られる代償に、突っ込みを放棄したというのが、『パシフィック・リム』ファンの契約だったはずです*6

巨大ロボアクションが楽しくなければ、突っ込みを我慢する理由はないですよ?

前作のオープニングは、最高でした。
絶妙に汚れた基地の中を胸張って歩いて行くベケット兄弟、ダサ格好いいパイロットスーツ、コクピットの合体。

そして、プラズマキャノン連射の勝利。

あの興奮を返してくれ……。

他にも、つっこみたいところはいろいろ。

前回の重要キャラであったニュートが敵側に取り込まれているのは、残念でした。

そこまでするなら、ちゃんと面白く使うんだろうな? と思いましたが、ご存じの通り面白くはなかった

あと、前作主人公のローリー・ベケットは何をしているんでしょうか。

引退したとか死んだとか、どこかで前線に出ているとか、全く言及されなかったのは残念でしたし、不自然にも感じました。

そして、ドリフトの「相方」の重要さって、あの世界ではどうなっているんでしょう。訓練生が「同じ釜の飯を食った」描写*7すらなく、すいっとドリフトできているんですが。

訓練生の個性が薄いから、誰がどのイェーガーに乗っているかも、いまいち分かりませんでしたし。

唯一の救い

中国企業の女社長が美人さんで、最後の汗だくシーンがエロかったこと。 彼女がスクラッパーを遠隔操作して主人公たちを助けたのは、本作では珍しく「お手柄」を立てた役柄だったのではないでしょうか。

しかし、映画の質として考えた場合、彼女を超える手柄を主人公に印象づけられていない時点で、敗北でしょう。

「役者が美しかった」というのは映画の美点ではありますが、この作品で「それくらいしか褒めるところがない」というのは、相当ですよ?

さいごに

というわけで、気持ちの赴くままに、『パシフィック・リム アップライジング』への文句を書き散らかしてしまいました。

前作の悪いところはバッチリ温存し、時には悪化させ、前作の良かったところは7割型スポイル*8された作品でした。

前作への思い入れがあればあるほど、オススメはできない作品です。

事実関係の確認や理論の精密さについてはあまり検討できていませんので、突っ込みはお手柔らかにお願いします。

(今井士郎)

なには何より、前作を見ましょう! 傑作ですから! Blu-rayでも何度も見てます!

*1:モブイェーガー。

*2:主人公機

*3:一発くらい殴りましたっけ? とりあえず、手傷は負わせてませんよね。

*4:秘密基地みたいなもんです。秘密でもないけど。

*5:見ている人にしか通じない表現。

*6:そんな契約をした覚えはない? 気のせいです。あなただって、してたでしょう?

*7:前作では、ありました。シャッタードームの食堂シーン。「ここには芋もある」は、世界の困窮を示していて、いいシーンだったと思います。

*8:イェーガーの造形自体は、悪くないと思います。