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「後の先」を取りに行くニンジャ活劇! 『SEKIRO SHADOWS DIE TWICE』の魅力

『SEKIRO』プレイ中

しばらくぶりの投稿となってしまいました。
3月に派手に体調を崩し、4月中旬までは一応情報処理の勉強をし、Googleのロジック変更でブログのアクセスが半減し、4月後半からは『SEKIRO』(せきろ)のプレイを開始してしまったせいです。

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE - PS4

ここまでやった感想は、「メチャクチャ燃える」
現在は中盤戦。「獅子猿」の攻略中です。
例年は年に1~2作しかプレイしないヌルゲーマーなのですが、今年はエースコンバット7に続いて2作目です。ちょっとハイペースですね。

『SEKIRO』は大ヒット中で、たくさんの人が紹介や解説をしています。この記事は比較的後発になってしまいますが、百番煎じは恐れずに紹介していきましょう。

作品最大の魅力は、武術家の憧れ「後の先」。合気道家は『SEKIRO』をやれ

後の先ってなんだよ

「後の先(ごのせん)」という言葉があります。

武道・武術用語で、「相手の仕掛けてきた技に合わせて対応してこちらが攻撃を仕掛け、技を成功させること」といった意味です。詳細はググったり本を読んだりしてください。

冷静に考えたら、後の先を取るのってものすごく大変なんですよね。

  • 相手が攻撃動作を開始する
  • 相手が攻撃動作を完了する

という2つの段階の間に、

  • 相手の攻撃動作を認識する
  • 自身の対応動作を決定する
  • 自身の対応動作を開始する
  • 自身の対応動作を完了する

という段階を割り込ませないといけない訳ですから。
どれだけ実力差があればできるんだよと。

「後の先」に憧れる者たち

「後の先」は、競技武道だと剣道あたりで一番使われる言葉だと思います。しかし、「後の先」を一番意識するメジャー武道は別だと思うんですよ。
その武道の修行者は、「後の先」に対する強い憧れを持って練習に励んでいます。

合気道*1です。

DVD合気道―道主による模範演技で見て学ぶ!見てわかる!

型の稽古や演武を見たことがある人は分かると思いますが、合気道の技術体系(練習体系)は「仕掛けられて、対応する」型の反復練習で組まれています。これが「後の先」です。
前述の通り、「後の先」ってとても高度な技術なので、実戦*2合気道が使えるかは疑問です。でも憧れても仕方ないじゃない! 格好いいんだから!!

合気道で行うのは、主に「約束組み手」という奴で、「相手の攻撃動作は決まっているから、あらかじめ決めた対応動作を成功させてね」という形式です。
これなら、後の先も成功する。でも、相手が何をしてくるか分からない実戦では、多分対応できないよね?
実戦を妄想する合気道家は、そう考えるはずです。

私は、大学時代に合気道を練習していた級位者で、袴が穿けない程度の合気道*3です。
「実戦で使うのが難しい」合気道という技術の修行者の中でも、結構未熟な修行者です。これは、「実戦」では勝てない。
でも、「後の先」への憧れは強いのです。

『SEKIRO』は、後の先の成功体験を提供してくれる

「後の先」は、要するに「後出しで勝てる故に、完全に勝てる」という夢の到達点です。達人ならばその境地にたどり着けるのかもしれないが、一般の修行者や一般未満の修行者には、そうそうたどり着ける境地ではない。

そんな憧れを満足させてくれるのが、『SEKIRO』なのです!!

このゲームは、難しいと言われます。ボスの攻撃が凶悪であると。
しかし、「有限の選択肢から攻撃してくる」ボスの「モーションを盗」んで「最適解で対応」すれば、完封すら可能です。*4
これだよ。これが、武術修行者として私が憧れた「後の先」だよ。

格好いい攻撃を仕掛けてくる敵を相手に、最適なコマンド入力をすれば、プレイヤーの分身である忍者「狼(おおかみ)」が、格好いいアクションで敵を制圧してくれます。
ああ、俺は今、こんなに格好いい敵を、こんなに格好良く制圧してる。こんな「武術家としての満足感」を与えてくれる作品を、私は他に知りません。*5

「葦名弦一郎」を前にして、「幻お蝶」で50回くらい(推測)ゲームオーバーしているうちに、上達の快感がどんどん上がっていきました。
3回前に比べて、10%ほど余計に敵の体力を削れるようになってきた。
ゴールはまだ見えないが、前進はしている。
敵のモーションを盗み、自身の動きをもっと正確に把握して、「追撃の攻撃ボタンを押すかは、相手が自分の攻撃を弾いたか、喰らったか見極めてから。連打はダメ」と分かってきた。
丁寧に相手の攻撃をいなしてやれば、自分が操る狼は完璧に後の先を取れる。相手が攻撃失敗で体勢の崩れているところに攻撃をたたき込める。 ああ、気持ちいい。

まとめサイトを見ていると、「葦名弦一郎は楽しかった、良ボスだった」というコメントが結構あるので、もしや今が最高潮か? という懸念もあるのですが……。

私のスタンスはこんな感じなので、「ネットで情報収集はしない。攻略法は自分で見つける」というほどのストイックさはないものの、「敵との段差を利用すれば一方的に勝てるよ! やったね!」といった攻略法には魅力を感じません。時間のないヌルゲーマーには、難儀なことです。

あと、こういう駆け引きと無縁な「四猿*6」とか「獅子猿(現在攻略中)*7」あたりは、あんまり魅力を感じないですね……。

「残心」の大切さも教えてくれる

武道経験者は、「残心(ざんしん)」という言葉もよく聞くと思います。

技をかけきっても、体勢を崩さず油断しないでおく、といった意味です。これも、SEKIROのプレイ中はよく意識することになります。
だって雑魚を一人倒して油断してると、思わぬところから別の雑魚に襲われて酷い目に遭いますからね。敵を倒した瞬間、カメラをグリグリ回して次の追っ手がいないか警戒ですよ。

「残心ってこういうことか」と心で理解できました。

他の要素も、とにかくとにかく「格好いい」

剣戟アクション以外での『SEKIRO』の大きな魅力は、「キラキラしてないスタイリッシュさ」です。
主人公の「狼」は、薄汚れた、ともすれば「ムサい」おじさんです。しかし、顔と声の良さだけではなく、その薄汚れた風体も、「リアリティを深める、魅力としての汚れ」になっています。適切に施された、プラモデルの汚し塗装のような。アニメの実写化をするときには、あのくらい格好良く「汚して」欲しいものですよね。

敵も汚い。強めの雑魚敵である大男は、かなり汚い顔と風体をしています。これも、「戦国時代を突き詰めたら、そりゃそうだよね」という納得感があります。

そして、狼が飛び回る葦名の城。私のプレイでは、ちょっと前に雪景色になりましたが、その前は美しい紅葉でした。白と灰色の中に割り込むモミジの色の美しいことといったら。同系色の狼の装束の映えることといったら。
周囲に敵がいない、ふと緊張を解いた瞬間、画面の美しさにため息をつきます。

まとめ:武道家、特に合気道家のゲーマーは、挑戦の価値あり

ここに辿り着く方は他でも散々「おすすめ」されているでしょうが、やっぱり『SEKIRO』、オススメです。

  • アクションが格好いい
  • 後の先が気持ちいい
  • 他の要素も、いちいち格好いい
  • 楽しいゲームです

連休の時間の使い方、どうしましょうかねぇ……。他にもやりたいことはあるのに、油断したら全部SEKIROに食われます……。
(今井士郎)

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE - PS4

*1:富木流とか合気道S.A.だと、試合もあるわけですが。

*2:武道・格闘技における「実戦」の最大公約数的な定義は、「ルールの有無に関わらず、自分に害意を持って格闘攻撃してくる相手を、制圧する格闘行為」と考えています。これなら、競技格闘技も暴漢の攻撃も内包できるので。銃を持った相手に勝てるかは、格闘技術の性能に依存しませんよね。

*3:袴は、「脚の動きを隠すため」という武術的合理性のために、有段者が穿けます。女性だと三級から穿けます。

*4:私ができるとは言ってない。

*5:知っているゲームの分母が少ないので、あったらごめんね!!

*6:猿を追跡して仕留める。武術関係ない……。

*7:ニンジャ V.S.キングコング。武術関係ない……。