保険のお姉さんが苦手
私、職場に営業に来る保険のお姉さんが苦手です。いや、むしろ嫌いと言っても過言ではありません。
職場の保険のお姉さんと言えば、
・昼休みにやってきて
・我が物顔でフロアを回り
・頼んでもいないのに営業を仕掛けて来る
のですよ。
しかも、月々の収入をどれだけ貯金しているかとか、その他財産の状況とか、結婚はしてるのか、病気はしてないのかみたいな、最も親しい友人にだって話さないようなデリケートな話題に、ずかずか踏み込んで来るのです。
街中で話しかけられれば無視して通り過ぎますが、職場ではそうもいかない。
人がスマホで貴重なお昼のツイッタータイムを満喫してるところに「ちょっとよろしいですかー?」と話しかけてくるのです。
よろしくねーよ。
彼女らが職場を徘徊していると、強制的に昼寝するか相手をするかの二択を迫られるのです。
現在の職場では、お姉さんたちはオフィスに立ち入りができないので、かなり過ごしやすくなりました。
オフィス前にいる彼女らを無視して通り過ぎれば、全て終わりますから。
だから、油断していました。
うかつなキャンペーン対応
お昼休み、職場の一角で『血管年齢測定』なるイベントが行われていました。ものすごく簡易的な健康診断みたいな感じで、機械の上に指を載せれば『血管年齢(若く出た方が健康)』が分かると。
ノボリには生命保険会社の名前が明記されていたので、騙された訳ではないのですが。
ちょちょいと指を機械に載っけたら、実年齢より10歳ほど低い数値が出て、まぁいい気分でした。
そこにすかさず「今回の結果についてお知らせしたいので、名前と連絡先を書いてください」と。
結果について教えてくれるのか。
簡易的な「成績表」でも作って、もう一回おだててくれるのかな?
そう考えた私は、検査と成績表に免じて、営業トークを一度聞くくらいは別にいいかと、ほいほい名前を書いてしまったのでした。
そして迎えた面談日
数日後、うちの事務所を担当しているというお姉さんから連絡が入り、お昼に会うことに。そして当日となった今日、名刺を受け取り、「あはは、こちらは名刺携帯してなくて。すいませんね」と席に着きました。
(それも本当ですが、あなたに渡す名刺はない。ごめんね)
姉「今井さんには、血管年齢検査を受けていただいたのですが……」
うんうん、どんな書類が出てくるのかな?
姉「おいくつだったか、覚えてますか?」
!?
お姉さんが出したのは、点数・年齢が空白になっている結果シート。
この人、私の検査結果の共有すら受けてない。
テストに関して、新規の情報、ゼロだ……。
はい、しゅーりょー。
もう、私に話を聞く気はありません。
というか、私、もう別の会社で生命保険の払い込みが終了してる事情がありますしね。
今井「えーと、○○歳(実年齢-10歳)」でしたね。
姉「ということは、スコアは60点だったんですね!」
65点です。訂正するのもバカバカしいから、しませんけど。
それでも約束したのだからと、多少の営業トークにはお付き合いしました。
姉「今井さん、いつも急いで通り過ぎられるので、もっと怖い方だと思ってました」
コミュニケートする気のある相手とは、コンビニ店員相手だろうと愛想良くしますよ。
昼休みのあなた方は障害物ですから。
姉「優しい方で、今日はお話できてよかったです」
明日以降は、愛想悪くなります。ごめんね。
私はここで失策に気付きました。
一回の営業トークと引き替えに検査を受けたつもりでしたが、向こうに顔と名前を覚えられた。
私には信じがたいことですが、世の中にはたった一度会話しただけで相手の顔を覚えるという特殊技能を持った人たちがいるのです。
今後は、私の顔と名前を知っているお姉さんの前をスルーしないといけないのか……とほほ……。
笑顔がひきつりましたね。
姉「生命保険をお考えでないなら、外貨預金はどうですか?」
姉「いい商品なんですよ?」
姉「ウチだとコストや手数料が高そう? 銀行さんでも同じですよ?」
姉「私は社内規定でやっちゃいけないんですけど、ウチのおばあちゃんはやってます」
姉「興味ないんですか? また何かありましたら、お話させてください」
自席に戻って、商品名を検索する私。
外貨商品の評判は。
満場一致の、クソ商材じゃねえか。
「銀行でも手数料が同じ」って、「銀行でもしこたま手数料が取られる」だけじゃねえか。
おばあちゃん、かわいそうだなあ……
(今井士郎)
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