ついに最終回
とくに好評でもない連載*1、『出雲旅行記』でしたが、連続での更新は、今回で最終回とします。間も相当空いてしまいましたし、あとは語りたくなったときに、気ままに語るということで。
最終回とわざわざ宣言するのは、ひとえに私の精神衛生上の問題です。
到着時の東西十九社
出雲大社で、私が一番見たかった建物があります。東西の十九社(じゅうくしゃ)です。
東西十九社(とうざいじゅうくしゃ)って?
本殿の両サイドに、東十九社(ひがしじゅうくしゃ:本殿に向かって右)と
西十九社(にしじゅうくしゃ:本殿に向かって左)があります。
それぞれの建物が、たくさんの戸口を持った長屋みたいな形をしています。
これ、神在月にやってくる神様たちの宿舎なんです。
出雲大社から見て東側からやってくる神様は東十九社に、
出雲大社から見て西側からやってくる神様は西十九社に泊まるそうで。
……考えてみるとすごい格差。
東の神様、待遇悪くね?*2
本当に神様が「八百万(8×10^6)」柱*3いらっしゃるのだとしたら、片方の十九社に平均400万柱ですからね。
ちょっとした小屋の中に、横浜市*4の人口以上の神様がひしめいている計算になります。
さすが神様、懐が深いぜ!
……実際のところ、祠や伝承のある神様を丁寧に数えたら、日本の神様って何柱くらいになるんでしょうね?
分霊*5した神様もいますし、東の十九社だけで、菅原道真様が170人以上いらっしゃるようです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/天満宮
こちらは、沖縄の竈(かまど)を守る女神、ヒヌカン様。
(『かみあり』2巻より)
ヒヌカン様は、祀られている家の数だけいる……?
神棚の数だけ神様がいたら、国内の神様は800万では済まないかもしれませんね。
なんで見たかったの?
兼ねてから書いているとおり、今回の旅行はマンガ『かみあり』の聖地巡礼旅行です。かみありは、「神在月の出雲を訪れた神様たちの話」。
つまり、登場人物たちはみんな、ここにいるのです。
すげえ! 本物の十九社だ! と、内心喜んでおりました。
先ほどの画像。
ヒヌカン様のバックにあるのが十九社です。
十九社の扉は閉まってます。
しかし、神迎祭*6が終わって、神様がお泊まりになり始めると、
扉が開くんです!!*7
神迎祭の様子
こちらが、神迎祭の準備の様子。出雲大社から歩いて10分くらいの稲佐の浜(いなさのはま)で火が焚かれ、海からいらした神様を榊(さかき)の木に降ろします。
そして、神が降りて御神体となった榊の木を、出雲大社まで運び、社でもう一区切りの儀式が行われました。
なお、アトラクションとしてはぜんぜんおもしろくないはずです。
よほど近くないと、神職さんの祝詞(のりと)も聞こえません。
儀式の説明アナウンスなどは何にもありませんので、正直、予備知識なしだと何がなんだかわかりません。
私も、儀式の内容はよくわかっていなかったのですが、宿に帰るタクシーの中で、運転手さんが教えてくれてようやく理解したクチです。
アトラクション的おもしろさを期待している方は、見学をやめておいた方が無難です。
見学するのは、
「ほへー、なんだかありがたい気分になるねぇ」
くらいには思える人だけにしましょう。
近年は、神迎祭に参加する観光客が、急激に増えているそうです。
参加する人は、人が少ない方が幸せ。
つまんない人は、参加しない方が幸せ。
自分はどっちが幸せか、よく考えて参加しましょう。
今回は天気に恵まれましたが、例年は雨や雪の降ることも多いそうです。
雪がひどかったときは、榊の木がバスに載せられて運ばれたなんて年もあったと、地元の方が教えてくれました。
また、儀式中はスマホ撮影をやめて欲しい、と何度もアナウンスがありましたので、儀式の最中は撮影してません。
儀式中の撮影、主催者がダメだと言ってるんだからやめましょうよ……。
何度も「写真撮影ご遠慮ください!(怒)」のアナウンスで雰囲気ぶち壊しになりますし、注意する側も大変そうですよ。
神迎えの翌日
私は、神迎祭の翌日まで使って、出雲を観光してきました。扉が開いてる十九社を見たり、
歴史博物館を見てきたり
昼の稲佐の浜を見てきたり
神様が縁結び会議をしている、出雲大社の上宮(かみのみや)にお参りしたり、
出雲の阿国のお墓を参ったり
出雲そばをいただいたり。
夜はホテルでしっぽりと……
ノドグロの押し寿司を食べてました。
前日の宿から持ってきた日本酒の残りと。
美味しかった……。
久々の、仕事から解放された長期休暇。
久々の旅行。
満喫してきました。
出雲大社は、縁結びの神社。
『縁』があったら、是非また行きたいですね。
(今井士郎)
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