今日も元気に問答御用

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2010年代 『人気者人気』の時代

前回の記事は、アニメ化した『ワンパンマン』に関するものでした。
ワンパンマンのコミック(村田雄介によるコミック、いわゆる『リメイク版』)かコンビニに並ぶのを見たあたりから、感じ始めていたことがあります。

以下の作品に、共通する特徴があります。
さて、何でしょうか。

『ワンパンマン』
TIGER&BUNNY』
『アベンジャーズ』
『僕のヒーローアカデミア』

どれもこれも、そこそこ以上の人気作です。
この中に並べると、『僕アカ』はさすがにちょっと知名度が落ちますかね。一番好きなんですけど。

これの共通点を「ヒーローが活躍する作品」と答えた方、正解です。
でも、部分点といったところです。

正解は、「劇中で、たくさんのヒーローが乱立する作品」です。
アベンジャーズは未見なので分からないのですが(そしてたぶん違うのですが)、他の作品はいずれも、「職業としてのヒーロー」「劇中における人気商売でもあるヒーロー」を描いた作品です。

では、以下の作品の共通点は何でしょうか。
今度は、もっと分かりやすいと思います。

THE IDOLM@STER
ラブライブ!
アイカツ!
『Wake Up, Girls!』
アイドルマスター XENOGLOSSIA

そう、いずれも「アイドル」達が活躍するお話ですね。
すいません、『アイカツ!』と『Wake Up, Girls!』は、中身を全然知らないのですが、他の作品は、劇中に複数のアイドルが登場し、鎬を削る作品だと思っています。

先ほど挙げた「ヒーロー作品」群と、後に挙げた「アイドル作品」群、共通する表現で言い表せると思っています。
登場キャラ達が、劇中世界でも人気者であるということです。

人気作品のキャラは、現実世界では人気者です。
でないと、作品やグッズが売れません。
アニメ展開もできません。

ですが、かつてのヒーロー達は、「世の中では知られていない」とか「良さを知っているのは恋人だけ」とか、そんなポジショニングを保っていたと思います。
人知れず世界を救っていた、ドラゴンボール孫悟空とか、業界人にしか名を知られていない、シティーハンター冴羽りょうとか。
隠居の身の緋村剣心とか、都市伝説の住人、ブギーポップとか。

それが今のサブカル業界では、「劇中でも認知されたヒーロー」の数が、断然増えている、と感じます。
これはどういうことか。

ぶっちゃけた話、お話を消費する側に、いろんな意味で「エネルギー」が減ったんだろうな、と感じています。

キャラクターを好きになるのには、エネルギーが必要です。
「本当に、その作品の鑑賞に時間を使うの?」という自問自答やら他人からの干渉やらを押しのけて、「だって好きだもん」「だって面白いもん」となった作品が、「鑑賞される作品」になるのです。

「本当にそんなのが好きなの?」ってコメントは、結構盛り上がりを奪います。
一方で「うんうん! あれ、魅力的だよね!」と言われると、大抵は好きな気持ちが盛り上がるものでしょう。

そういう「同好の志」を「作品自体」が供給しているのが、「ヒーロー活躍作品」だったり「アイドルアニメ」だったりするのだろうな、と。
「『キャラクターを好きな自分』を、作中の人物(ファン)達から認めてもらえる」のですから。

こういった作品は私も好きですし、悪いとは言いません。
でも、そういう作品が「ジャンルとして」流行るということは、なんだか世の中の元気がなくなっている証拠のようにも思えて、ちょっと苦々しく感じているのです。
(今井四郎)