最近の流行ワード
ここ数日、はてなブログのホッテントリ(というんですよね? モバイル版の『ダッシュボード』に表示される、注目記事の一覧)に、一つのワードが頻出していました。メディアクリエイター。
そして、それらの記事の中には「メディアクリエイター肯定派」と「メディアクリエイター否定派」の記事が入り乱れていたのです。
騒ぎの根っこに近いのは、この辺の記事なのでしょうか。
「これからは『ブロガー』じゃなく『メディアクリエイター』を名乗るぞ」と。
そして、こんな風に否定派(?)記事が出て、
こんな風に、肯定派による反論記事が出て、と。
私の態度とブロガーとしての立ち位置
私の、この一件に対する態度は「メディアクリエイター」は、恥ずかしいと思うよ?
です。
上記で最後に紹介した記事では、
- メディアクリエイター否定派=はてな文化とやらにどっぷり浸かったおっさん
- メディアクリエイター肯定派=覇気と創造性に溢れた若者
という二項対立が語られています。
私は、あの言葉(そろそろ、タイプするのに飽きてきました)に対しては否定派ですが、「はてな文化とやらにどっぷり浸かったおっさん」ではありません。
30歳ですよ。
大学生からしてみたらおっさんですよ。
しかし少なくとも、「はてな文化にどっぷり」のおっさんではありません。
ブログ歴は半年です。
交流があると言えるブロガーさんは、片手で数えてお釣りが来ます。
「はてな村」なんて言う、面やら編み目やらの人間関係は築いていません。
多少、金銭目的でブログやってます。
(今のところ、収入になる気配は遠いですが。)
肯定派が想定する「はてな文化にどっぷり」の人は、こんな人のことではないと考えています。
定義から考える、「メディアクリエイター」のもの悲しさ
こちらのブログによると、この言葉を使い出した動機は、以下のようなものだそうです。- 「ブロガー」はダサくてモテない
- 「ブロガー」になるには才覚が必要で、それは自分にはないものだ
- 定義は決めてないけど、「メディアクリエイター」を名乗るぜ!
……。
おいおいおい!?
1はいいです。
「ブロガー」って響きは、「かっこいい」ものじゃないと思います。同意です。
口説きたい女の子に「ブロガー」を名乗るのは、確かにリスキーでしょう。
「かっこよさ」と「派手さ」で言ったら、こんな感じ。
微妙に格好悪く、地味。
でも、「よくわかんないけど、『メディアクリエイター』ならかっこいいでしょ? 何のことかは決めてないけど」が「かっこいい」と思っているなら、おじさんは「落ち着け」と言いたい。
メディアクリエイター。
響きは派手です。
聞いたことない言葉だから、「ん?」と思わせる効果はあるでしょう。
しかし、「かっこよさ」を考えると、私はこんな感じだと思うのです。
ダサい。恥ずかしい。ブロガーなんかよりよっぽど。
「メディア」は「媒体」で「クリエイター」は「創作者」といった意味です。
彼らは「媒体を」作るのでしょうか。
「媒体で」作るのでしょうか。
「ブログという媒体で」なにか(と言っても、それはブログ記事でしょうが)を作るのであれば、「看板を掛け替えただけの『ブロガー』」です。
ところであなたは本当にブロガーとして生きていきたいのですか?
・ブログを利用して自分を発信していきたい
・動画や音声コンテンツにも興味がある
・イベントを開催してみたい
・本当は喋るほうが大好きだ
・飲み会が大好きだ←えこんな人はメディアクリエイターのほうが向いているかもしれませんよ?
「動画や音声コンテンツ」を供給する人は、「Youtuber」とか「ニコニコ生主」といった属性が、すでに世に定義されています。
「飲み会の主催者」は「イベンター」です。
それらの属性を掛け持つ人、というのが、彼らのイメージする「メディアクリエイター」なのでしょうか……?
『メディアクリエイター』の恥ずかしさは、『エターナルフォースブリザード』の恥ずかしさである
今から10年前、2chに、このような書き込みがあったそうです。
スレッドタイトル「すごい技考えた」
1 番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:2006/05/18(木) 02:45:04 ID:6h57bk3G0 ?#
エターナルフォースブリザード一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる
相手は死ぬ
今では、「エターナルフォースブリザード」は「厨二病」*1の代名詞となっている「必殺技」です。
ファンタジー作品には、「恥ずかしい」呪文や言葉が溢れているはずです。
なぜ、エターナルフォースブリザードには恥ずかしいばかりでかっこよさがないのでしょうか?
それは、こういうことです。
- 設定に深みがない
- 言葉にわびさびがない
- 対して考えもせずに、かっこよさげな言葉をつなぎ合わせただけ
「ブリザード」と言うからには氷系の必殺技なんでしょうが、「かっこいい」氷系の必殺技には、例えばこんなものがあります。
- 「使い手が育ってきたシベリアの地のごとき寒さ」といった深みのある設定「ダイヤモンドダスト」
- 短いくせになんか冷たそうで、語呂がよくて気の利いた呪文「ヒャダルコ」
- ハッタリが最高に利いた美しさ「袖白雪(そでのしらゆき)」
……うん。やっぱり、「エターナルフォースブリザード」より、絶対かっこいい。
- 設定に深みがない
- 言葉にわびさびがない
- 対して考えもせずに、かっこよさげな言葉をつなぎ合わせただけ
さて、上記の特徴、どこかの誰かが提唱している言葉と、よく似ていないでしょうか?
(今井士郎)
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*1:この文脈においては、「フィクションへのあこがれをこじらせた、恥ずかしい子供っぽさ」