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『オデッセイ』 それは、誠意と善意と達成の物語【ネタバレなし】

2/5公開の『オデッセイ』、実は、公開二日目に観に行っていました。
すぐにでも感想を書きたかったのですが、もろもろのコンディションが許してくれず、ここまで発表できずに来てしまいました。
(今日も今日とてこの時間ですよ……)

総評

おもしろかったです。
星5つ満点で、星4つ
これは、「このブログで映画の感想を書き始めてから、5つ星ばっかりじゃないか」「ここでまた満点じゃ、連発しすぎだなぁ」と考えて、満点でなくした気もしています。

つまり、最近観た映画が好みじゃなければ、普通に5つ星をつけていた可能性も高いですね。

ちなみに、当ブログでの作品採点基準で一番大切なのは「私が楽しめたか」であって、客観的な「出来の良さ」は一つの基準としか考えていませんので、ご了承ください。

あらすじ

NASAによる火星の有人探査プログラム「アレス3」は、順調に進行し、宇宙飛行士たちは火星の土壌サンプル取得等、予定の調査を進めていた。
そんな中、彼らを強力な嵐が襲う。

指揮官は作戦の続行を断念するが、離陸用のロケットへの道中、マーク・ワトニー宇宙飛行士が、強風での飛来物によって吹き飛ばされ、消息不明となってしまう。

隊長はワトニーが死亡したと判断し、隊は火星を離脱する。

一命を取り留めたワトニーが目にしたものは、離陸用ロケットが消えた地表残されたキャンプだけだった

ワトニーの火星サバイバルが始まる。

みどころ

私がこの作品を観に行かなくては、と強く感じた理由は、「『オデッセイ』は要するに『火星版DASH村』」と紹介したツイートを目にしたことでした。

うん。だいたい合ってる!

私はDASH村企画の視聴者ではありません。
たまに見るとおもしろいですし、人気があるのにもうなずけます。

しかし、『オデッセイ』を観て、DASH村企画とTOKIOの人気がちょっと異常なレベルで高い(私のTwitter観測範囲において)理由に、強く得心が行ったのでした。

『オデッセイ』は、以下の側面でDASH村企画に類似しており、そして魅力的なのだと思います。

  1. 創造的な挑戦を続けること
  2. 挑戦が達成されること
  3. 経緯が「誠意」と「善意」で彩られ、悪意の介入がないこと

1.創造的な挑戦を続けること

DASH村では「建物を作る」「作物を作る」といった課題が設定されます。
これは「創造的」な挑戦であり、達成に無条件の心地よさが伴うものです。

  • 誰にも迷惑はかからない。
  • 作る喜びをもたらしてくれる。
  • 「挑戦」と呼ぶに値する難易度がある。

達成できるなら、絶対楽しいですよね?

2.挑戦が達成されること

達成は、喜びです。
この作品は、主人公が困難を達成するのに、ちょうどいい理由付けを準備してくれています。

主人公は、宇宙飛行士なのです。
宇宙飛行士というのは、頭脳明晰・健康優良・サバイバル訓練済みという、リアルに存在する人間の中で、最高級の生存能力の持ち主です。
結構な能力を発揮しても説得力がある、いいキャラ付けです。

食べ物の問題も通信の問題も、なるほど、とちょうど思えるいい線で解決してくれます。

3.経緯が「誠意」と「善意」で彩られ、悪意の介入がないこと

この作品には、『悪人』が登場しません。
ワトニーが生きている(置き去りになった)ことを知って「ヤバい! 不祥事だ!」と慌てるNASA職員はいても、だから「もみ消す」奴はいません。

ワトニーの生存と天秤にかけられるのはあくまで「誰かの命」だけであって、「陰謀」とか「保身」とか「金」のためにワトニーを見殺しにしようという人は、誰もいません。

そして、テキパキと救出ミッションが進んでいく。
健全だなぁ……。
それが楽しい。

その他のみどころ

考証も、私が観る限りでは正しそうに思えました。
なお、「芋を食べたくなるから、事前に買って映画館へ」という前評判も見たのですが、私は賛成できません。

まず、芋無双が始まるまで、数十分かかります。
温かい芋を持ち込んでも、食べたくなる頃には冷え切ってしまいます。
そして、きちんと感情移入して見た場合、芋ばっかりで確実に飽きるんじゃないかなぁと感じてしまいました。

芋は、買わずに観ていいです。
観終わってそれでも食いたければ、そのときに食べましょうよ。

この作品をおすすめしたい人

明るくて、心地よく観られる作品です。
感じた印象は、コクのある甘口のカレー
苦みや辛みを感じたい人には物足りないかもしれません。

苦痛とか悲しみとか、そういう要素はなくても楽しい、むしろそういうのは今はいらないよ、という人に、よりおすすめです。

甘口カレーとしては出来がいいはずなので、「甘口は許せねぇ!」という人以外は、楽しく観られると思いますよ?
(今井士郎)

火星の人

火星の人

原作小説。読みます。