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借金玉氏は、なぜ「思い通りにならない人を『クズ』呼ばわりするな」にキレていたのか

記事の内容を短く言うと

  • 借金玉氏が、運営に携わったイベントを侮辱した石川氏を「クズ」と罵った。
  • ろくでなし子氏が、「『思い通りにならないからと』他人をクズ呼ばわりしてはいけない」と借金玉氏を窘めた。
  • 借金玉氏がろくでなし子氏に激怒した。
  • そりゃ、借金玉氏も怒るって。(という今井の意見)

目次

借金玉氏が、キレてました

作家・コラムニスト・文闘家の借金玉氏が、漫画家・美術家のろくでなし子氏にキレてました。

この怒りはもっともだと、直感的には思ったのですが、なぜそう感じるのか、構造を把握するのに20秒ほどかかりました。
同じような疑問を感じた方向けに、記事にしようと思います。

要するに、ろくでなし子氏の発言は「借金玉氏が受けた被害を矮小化する」ものだったんですね。

キレるまでの経緯

ここに至るまでの経緯を、私がネット(主にTwitter)で観測した情報でまとめると、こんな感じです。

  • 「KuToo」運動で知られるフェミニスト運動家の石川優実氏が、「フェミニストは反対者からネットで、匿名の罵声を浴びるばかり。フェアな対話ができる場がない」と発言。
  • ネット論客の青識亜論氏が、「ならば、フェアな討論会を開催しよう」と提案。石川氏は受諾。
  • 事前に相互にルールや仕組みを協議の上、2019/11/16(土)に討論会『これからのフェミニズムを考える』開催。
  • 行き違い、平行線の要素は多数あったものの、登壇者(石川氏、青識氏)双方が「対話の場を実現できたことに意義はあった」と発言して会は閉会。
  • 会の翌々日である11/18(月)の晩に、石川氏が「会は、石川氏に対する一方的なハラスメントであった」とブログで表明し、閉会時から態度を大きく翻す。青識氏との対話チャネルであったTwitterもブロック。
  • 会の運営を主導していた借金玉氏が、石川氏の変転を「クズ」と評価するツイート。
  • ツイートを見とがめたろくでなし子氏が「『相手が思い通りにならないから』と『クズ』などと貶めることは、差別主義者と同様であるから慎むべきである」と苦言を呈す。
  • 借金玉氏、激怒。

なぜ、キレたのか

一見すると、「おかしくない」指摘

さて、借金玉氏は、なぜこの指摘にキレたのでしょうか。
ろくでなし子氏の指摘は、下記の通りです。

  • 石川氏は、借金玉氏にとって「思い通りにならない」発言をした。
  • 借金玉氏は、石川氏の「思い通りにならない」発言を以て、石川氏を「クズ」と評価した。
  • 「クズ」というのは人格否定であり、どのような場合でも使うべき言葉ではない。
  • 筋の通らない感情論だけで相手を侮辱するのは、借金玉氏の軽蔑するツイフェミと同じ、醜い行動である。

この指摘が面白いのは、事実としては正しいことしか言っていない点です。

  • 借金玉氏が尽力した会を石川氏が侮辱したことは、借金玉氏にとって「思い通りにならない発言」ではありました。
  • この「思い通りにならない発言」を以て、借金玉氏は石川氏を感情的に「クズ」と評価しました。
  • 「ツイフェミ」という蔑称で呼ばれる人たちには、往々にして理屈が通用しません。

間違ってません。
でも私は、借金玉氏が怒るのは当たり前だと感じました。

なぜなのか。
モデルにしたら、よく分かります。

言動の価値評価モデル

しばらくぶりに、四象限のモデルを考えてみましょう。

ある人物から見た、他者の言動の評価軸として、2つの軸を設定できます。

  • 思い通りか、思い通りでない(意に沿わない)か。
  • 良い(筋が通っている)か、悪い(筋が通っていない)か。

手書きで恐縮ですが、こういうことですね。

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では、ろくでなし子氏が借金玉氏を評した「思い通りにならないから、他人をクズ呼ばわりする」というのは、どういうことか。
図の左側、黒く斜線をひいた範囲の言動を、「クズ呼ばわり」するということです。

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借金玉氏は、石川氏の言動が「この範囲」だったから「クズ呼ばわり」したのでしょうか。

これは、ちょっと正確性に欠ける表現です。
借金玉氏が石川氏を「クズ呼ばわり」したのは、石川氏の発言に「筋が通っていなかった」「侮蔑的だった」からです。

図にすると、赤い部分になります。

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イベントの席では納得したような発言をしておきながら、後出しで主催・運営・聴衆を侮蔑する発言を以て、借金玉氏は「クズ呼ばわり」に至りました。

「思い通りでない発言(の一種)に対して怒」ってはいますが、「思い通りでない発言であれば怒」る訳ではないのです。

「悪質な加害」に怒っているとき、「『思い通りにならない』『気に入らない』からって怒るなよ」と言われたら、そりゃ、腹も立ちますって。

例えば、

  • ぼっこぼこに殴られたことを怒っているときに
  • 面と向かって侮辱され、ぶち切れているときに
  • 性犯罪被害に遭ったことを憤っているときに

「『気に入らないこと』があったからって怒るなよ」と言うのは、良くて無神経、普通は侮辱です。
いや、たしかに「気に入らないこと」ではあるけど、その丸め方は違うだろう、と。 人が他人を「クズ呼ばわり」するのを窘めながら、当人が受けている被害を矮小化するような表現は、怒られて当然です。

その後

「どんな相手であっても、クズ呼ばわりすべきではない」と発言していたろくでなし子氏の過去ツイートから、他者をクズ呼ばわりするものが複数発見され、借金玉氏は溜飲を下げてました。

「一貫性のある言動」って、難しいもんですね。
(今井士郎)