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『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』まとめと感想 ちょっと見直した

友人と、そのコミュニティの人に会う度に勧められていた本を、ようやく読めました。
ロバート・キヨサキ『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』(筑摩書房)です。

総評

5点満点で、4点といったところでしょうか。

  1. キャッシュフロー・クワドラント(収入形態を分ける四象限)の考え方には納得
  2. 『金持ちになるための気の持ちよう』の感覚や、金持ちになるためのステップの考え方も納得
  3. アメリカ経済が前提に置かれていて、自分の周囲の経済感覚とは違和感がある
  4. 実践するには、相当な覚悟と努力が必要
  5. 本当に具体的な努力の方法には触れていない(触れるとも言ってません)

3~5が今の私にマッチしなかったことで、合計1点減点、といった感覚です。

要旨

  • 収入は、2×2のマトリクスで分類できる
E(Employe:従業員) B(Business owner:起業家)
S(Self-Employed:自営業者) I(Investor:投資家)
  • 『真の経済的自由』を手に入れるためには、「マトリクスの右側」に身をおく必要がある。
  • そうでないと、自分が払った労力の大部分が、自分以外(雇用主や政府)の利益として吸い取られてしまう。
  • マトリクスの左側は、「自分の頑張り」でお金を手に入れることを表す。
  • マトリクスの右側は、「システム(自分が手を入れなくても勝手に動く組織や仕組み)」や「お金」が、自動的にお金を稼いでくれることを表す。
  • 「右側」として充実すれば、お金も余暇も増えていく
  • 大多数の人は「E」であろうから、お金持ちを目指すなら「E→B→I」という経路を目指すのがお勧めである。

感想1 ロバート・キヨサキ、思ったほど怪しいこと言ってない

著者のロバート・キヨサキ氏は、かの有名な『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者でもあります。
いや、今回のタイトルにも、思い切りフレーズが入ってますけど。
私が持っていた氏へのイメージは、「本当に金持ちかは知らないが、さも金持ちになれそうなスケベ心を煽って、金持ち自慢と『金持ちになるノウハウ』での金儲けをしたいだけだろう」というものでした。

ノウハウで儲けようとしていること自体は、本当だろうと今でも思います。
ですが、「あなただって簡単に金持ちに!」と無責任に煽りまくるような本でもなかったですね。
(「簡単に」というフレーズを抜いただけで、「あなただって金持ちに!」とは説きまくる本なのですが。「簡単に」というワンフレーズがあるかないかで、無責任か否かはだいぶ変わります。)

感想2 がっかりした記述と、うなずいた記述

がっかり記述

私は、個人投資家です。
小遣いから投資口座へ資金を作り、超短期(デイトレード~数日)レベルでの株取引をすることがあります。
(仕事に集中できないのを嫌って、半年ほど、投資はしてません。)
なので、『I(投資家)』にはなれる可能性があると思ってました。
しかしこの本では、「キャピタルゲイン(差額利益)を期待して株売買を検討し、行っているのであれば、それは『S(自営業)』だ。働いた分しか返ってこない、お金が自分で働いているわけではないからだ。『I』は、インカムゲイン(配当利益)で儲ける人だ」と書いていました。

で、ですよね~……。

うんうん記述

現状を変えるための心構えの順番として
『Be-Have-Do』というのが提唱されていました。

自分が目標とするような人が
Be :どんな心構え、人柄を持っていて
Have :どんな特性を持っていて
Do :どんな行動をしているか

愚かな人は「Do」だけをまねようとするから情熱を長続きさせられず、「Have」できないのだ。
「Be」を学ぶことで「Have」や「Do」をできるのだ。
といった考え方ですね。
私は「目に見える具体論(Do)を真似ないと、ふわっと心構え(Be)を真似ようとしたって無理だよ」という考え方を基本にしているのですが、行き詰まり感も否定できません。
心構えも大事なんだろうなー、程度には納得しました。

方針 それで、おまえ(今井)はどうするか

お金が欲しいです。
「楽してお金を稼ぎたい」というスケベ心は、全面的に持っています。しかしこの本は、そういう抜け道を教えてくれる訳ではない、まともな本でした。

今の私は「E」クワドラントにいます。
本の勧めどおりにお金持ちを目指すなら、E→B→Iと進むべきです。
ですが、「B」としてふるまうビジョンが、今の私にはまるでありません。
当面は

  • 引き続き「E」として、不足しているスキル(コミュニケーションなどの、基礎的なヒューマンスキルや、専門的な技術知識)を磨く
  • 余暇の一部を、BやIの情報収集(書籍、日経新聞)に充てる
  • 本を勧めてくれた友人に頼んで、「キャッシュフロー・ゲーム(ロバート・キヨサキ氏開発の、「お金のリテラシーボードゲーム」。「彼の著書は、このゲームの宣伝だ」なんて揶揄も)をプレイさせてもらう

あたりが、活動指針になりますかねぇ。

一個だけ言いたいこと

一連のシリーズでは、「資産とは何か? 君にお金をもたらしてくれる物さ。だから、持ち家も自家用車も、『資産』なんかじゃないんだ。維持費が出て行くばっかりだろう?」と言いまくってますが。
一般的に、それらは『資産』ですから
既存の言葉の定義に割り込んできて自分ルールを振りかざし、「その用語の使い方は間違っている!」と言ってドヤ顔してるのだけは、どうかと思います。
それなら既存の単語のふんどしを借りずに、「価値資産」とか、「意義のある資産」とか造語でもして、あらたな概念を提唱すればいいのに。

全体的に、いい本だったと思いますよ。
図書館で借りてたので、今日返してきます。
(今井士郎)