東京都美術館
この週末、上野公園の東京都美術館へ行って参りました。あの「蒼木うめ展の方がはるかに並んでた」で有名(?)な、モネ展です。
私は美術に造詣がある方ではありませんし、素直に興味があるのはアニメやマンガなど、もっと「軽い」世界なのですが、定期的に「芸術」に触れるように意識しています。
「教養人」になれるといいなーという、かすかな希望のためです。
素人目にも、すごかった
感想は、「ものすごく良かった!!」です。普段、正統派の美術品を見ても、そこまでいいと素直に感動することはそんなにないんですけどね。
あんまり「写実的~」な画風(ボッティチェリとか)でも、「抽象的~」な画風(さっと例が出てきませんが、なにを描いてるのかすらよく分からないような方々です。ピカソはそれなりに面白く見られる気がする)も、正直ピンと来ないんですよね。
モネ=マンガ好きレベルにちょうどいい仮説
今回のモネ展に展示されている作品は、デフォルメ度合いが、マンガ好きに丁度いいレベルだったのではないか、と感じました。程良く現実を解きほぐして、ぼかして、それでいて「本質を捉えている」と感じられるような。
参考までに、私は、皆川亮二とゆうきまさみと雨隠ギドと荒川弘が好きです。
- 作者: 皆川亮二,七月鏡一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/01/01
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印象を持ってかれた日の出
『印象、日の出』という作品が展示されていました。あの「印象派」の語原になったという作品だそうで、確かに教科書で見たことがあるような気のする作品でした。
部屋に入ると、『印象、日の出』の解説(一体どこの、何年何月何日の、何時の日の出の風景なのか、というのを、モノクロのコピーに示した解説パネル)が飾られていました。
ふぅん、こんな研究が進んでいるのかと感心しつつ、「で、本物はどこよ」と辺りを見回したとき。
ありました。
パネルから左に向き直ったとき。
20メートル先に。
『印象、日の出』が輝いていました。
実際は、とても巧みに照明が当たっていて、さも絵画自体が輝いているように見えていのでした。
正直、素人ながらに涙ぐみました。
絵の良さと。演出の良さと。作品展示への愛を感じて。
他にも『睡蓮』関連の一連の作品ですとか、雪の街を描いた風景画ですとか、素直にため息のこぼれる作品が多数ありました。
「俺、ゲージュツ、いけるじゃん」と感じてしまいましたね。
おみやげ物売り場の感動
そして最後の感動は、出口の先のおみやげ物売場にありました。今回、一緒に観覧した仲間と「油絵っていいよね。あの凹凸の感じが。迫力というか臨場感というか、そんなのがあって」と話しながら回っていたんですよ。
おみやげ物売場の複製画。
あれ? なんか凹凸もあるような……?
「触ってみてください」
あ! あなたは!! 複製画コーナーの店員さん!?
言われるままに触ってみて、仲間とそろって、驚きの声を挙げてしまいました。
「デコボコしてる!!!??」
これは、フレスコグラフという技法で作成された複製画だそうです。
本物の絵を3Dスキャンして、凹凸の情報を読み込む。
凹凸を漆喰で再現したあと、実際の色に塗装をする。
紫外線をバリバリ(100年分!!)当てても脱色しないから、ガラスケースにしまわなくても鑑賞できる優れ物!
だそうです。
お値段は、98,000円。
おいそれと手のでる値段ではありませんが、あれだけすごい物にしては、お安いですね。
公式サイト、ありました。
http://www.fltokuyama.com/frescograph/start.html
今だけ! 東京都美術館のおみやげ物売場で買えます。
通販なんかはしていないそうです。
古い古い技術の粋と、新しい新しい技術の粋。
両方楽しめる、非常に充実した美術館鑑賞になりました。
10/20から、追加の絵があるんですか? しかもものすごく好みっぽい。ど、どうしよう……。
(今井四郎)