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アラサーサラリーマンが「考え方を考えてみる」「考えたことを書き残す」ブログ。ツイッターアカウント @shiroimai

書籍『人間関係がうまくいく方法』が、なかなかに酷かった

悩みに対応する本を探しました

前回の記事で書いたような事態を受けて、本を探してみました。

どうやら図星っぽい、「他人に興味がない」という症状。
内心のことですから、他人の指導や読書などで一朝一夕に直るものでもありませんが、本というのは世間の知識の集約です。何か、考え方矯正のヒントなり、訓練方法なりが書かれたものがあるかもしれません。

ということで、ググってみたらこの本が出てきました。
『他人に興味が持てない人の処方箋 人間関係がうまくいく方法』(ライフスタイル編集部)です。

タイトルは、私の悩みにぴったり! Kindle Unlimitedなので追加料金もなく読めますし、サクッと読んでみました。

……ひでぇ本でしたね……。

論理性皆無、思い込みを披露し続ける本

冒頭の「なぜ、他人に興味を持てない人が多いのか」という章から、すでにヤバさがビンビンに漂っていました。
いわく、「他人に興味を持てない大人が『増えている』」(いつと比較して?)。
原因は、以下の3つである。

  • 学校で「他人に興味を持つ方法」を教えないから
  • 核家族化が進んでいて、家庭以外の大人がしつけないから
  • インターネット・SNSが普及したから

はい、クソー。

後の方の記述でも出てきますが、この本では「興味」というものを根本的にはき違えています。

興味というのは、何かを「知りたい」「触れたい」という感情であったり、何かに対して感じる「面白み」の感情のことです。

他人に興味を持たない人が増えたのは、学校で「他人に興味を持つ方法」を教えないから

「他人に興味が持たない人が『増えた』」というなら、「かつては、他人に興味を持つ方法を学校で教えていた」というのですか? それは、いつの話ですか?

「このようにすれば、他人に興味を持てます」と教えている様子、一見笑えますし、ディストピア感もありますね。

そもそも、「他人に興味を持ちなさい」と学校で何かを『教え』られて興味が湧くと、筆者は本当に考えているのでしょうか……?

学校で教えている学業よりは、学校で教えていない人間関係に興味がある人の方が、圧倒的多数派でしょうに。

他人に興味を持たない人が増えたのは、核家族化が進んでいて、家庭以外の大人がしつけないから

本当に、意味不明。

「興味」を「しつける」て。
「親以外の大人に接する機会がなく、世の中の多様な面白さに触れることがなくなったから」なら、まだ分かります。

規範を押しつければ「興味」が湧くと考えている筆者の脳内、本当に恐いですよ……。

他人に興味を持たない人が増えたのは、インターネット・SNSが普及したから

先の2項目の説得力が100点満点中0点だとして、この項目には30点くらいの説得力があります。
SNSやインターネットに触れることが人間性に影響する部分はあるでしょうし、これらは「最近(ここ20年くらい)の社会の変化」という要件も満たしますから。

しかし、本を手に取った私は、それらが登場するはるか昔、スーファミ時代から、「親戚の集まりを尻目に、ずっとゲームをしている子供」で、我がことながら不健全さを感じていました。

明らかに、生まれ持った性質が関わっているんですよ。

この本、このとおり全体的に論理性が皆無な記述ばかりなんですよね。

この時点で、「どうやら、この本はダメっぽいぞ」と確信めいた気持ちがあったのですが、本が薄くて、すぐに読み終わりそうなので我慢して読むことにしました。

「興味は『相手中心の感情』である」……????

三章では「『詮索』と『興味』の違い」と称して、会話のgoodパターンとbadパターンを羅列しています。

『詮索』の質問

カフェ店員が「たまに来る客」に「休みの日は何してるんですか? 毎月いくら稼いでいるんですか?」と聞くのは『詮索』だそうです。

『興味』の質問

カフェ店員が「常連客」に「休みの日は何してるんですか?」とだけ聞くのは『興味』だそうです。
また、「休みの日は何してるんですか?」という質問を受けた側は、当然「嫌な気持ちはしない」そうです。

嘘をつくな!

特にオタクは! 「休みの日にやってること」をどのように言えばいいか! めちゃくちゃ緊張して相手を選ぶんだぞ!

録り溜めたアニメの一気見をしていると、誰にでも言えると思うのか!
同人誌即売会に足を運びまくっていると、誰にでも言えると思うのか!
アルファツイッタラーの暴言と矛盾発言の記録をブログ記事にまとめていますと、誰にでも言えると思うのか!

人間に興味を持てない人には、ヤバい休日の過ごし方をしてる人が少なからずいるに決まってるでしょうが!

「興味」の根本的なはき違え

本によると、「相手の話したいことを聞き、距離感を適切に捉え、価値観やポリシーを見抜くことができる(ような質問につながる)、相手中心の感情」だそうです。

……筆者さん……。
あなたが「興味」と呼ぶものは、「興味」とは別の心の動きです……。
「気遣い」とか「社交性」とか「思いやり」とか。

興味というのは、そんな相手中心の感情ではなく、「自分が持つ、関心の気持ち」です。
我々「他人に興味がなくて困っている人」は、その「興味の対象」に、他人をいい感じに収めたくて困っているし、こんな本を読もうとするわけですよ。

周囲の他者に、健全な興味を持つことができれば、当然、人間関係は好転が期待できますから。

辞書、引こう?

雑談のコツパートは、多少読めた

本書の大部分を占める、「興味」を解説する章は、クソほども役に立ちません。
最後の章である雑談テクニックのパートは、目新しさはないものの多少使えそうでしたね。

多少なりとも価値がありそうな記述は、ここだけでした。
……雑談テクニック本を読んだ方が100倍マシですね!!

まとめ

と言うわけで、今回紹介した本『人間関係がうまくいく方法』は、全くオススメできませんKindle Unlimitedに加入済みの方が、恐い物見たさで読む分にはありかなぁ……。

宗教がかっていなくて、実践・訓練しやすい、オススメの人格矯正本があれば、Twitter等へ情報をお寄せ下さい。
(今井士郎)