観てきました
『ジュラシック・ワールド』。途中までは未見の方も含めて読んでいただける感想を、途中からはネタバレ満載の感想を書いていこうと思います。
どうだったの?
とんでもなく、良かった!ただ、気に入らない人が沢山いるのもとても納得という出来ですね。
私にとって何が良かったかは、はっきりしてます。
IMAXで3Dで、『恐竜の闊歩するあの空間』に『「あの」テーマ曲ともに』身を置けたというのが、とにかく幸せでした。
一作目、好きなんですよ。
ドラえもんを除いたら、最初に映画館で観た映画だったと信じています。
あの迫力。あの緊張感。
今回は「緊張感」はちょっと控えめ。
明るい草原で、少年達の乗るポッドの近くを、無数の恐竜が駆け抜けていく。
瀕死の草食恐竜を、男がやさしく慰める。
今の私の心境は、『殺伐』を求めていませんでした。
上記のシーンをみながら、(ああ、今、俺、幸せだ……)と感じてびっくりしましたし、(もう良いよ、ずっとこの平和なシーンでいいよ)と感じました。
今日は同僚が「映画の日だし、『日本のいちばん長い日』観に行く人~」と声をかけてたんですよ。
なら、『日本の~』じゃなく、ジュラシック・ワールドを観ておこうかなと。
結論。「映画の日」関係なかった。
21時過ぎのレイトショーの時間でしたが、それも関係なかった。
IMAX 3Dは、いつでも通常料金でござい。
2,700円でござい。
「映画の日」1,100円チケットが、2.5枚買えます。
で も 良かった。
ケチらなかった俺、偉い。
幸せでした。
観ようか検討中の人へ 判断基準の提示
私は自称、「ストーリー至上主義者」です。フィクションはとにかく、ストーリーが良くなくちゃどうしようもないだろうと思っています。
ただ、時々、「ストーリーは滅茶苦茶だけど、演出がめっちゃ好み!」でズッコンバッコン来る作品があります。サマーウォーズとか、パシフィック・リムとか。
『ジュラシック・ワールド』はその類です。
私はこの作品を、ディズニーリゾートのアトラクション気分で味わいきりました。
椅子は揺れない、しかし画質と音質と3Dで超絶クオリティを確保した、2時間のアトラクションです。
そんな感じで楽しめそうな人は、是非! 是非! 良い施設で観てください。なんなら4DXで!
逆に、「ストーリーや設定に破綻があると、その時点で楽しめない」という人は、やめた方がいいかもしれません。
あれを「ストーリーの破綻」と言っては言い過ぎな気がしますが、ツッコミどころは多いです。多すぎます。大抵の登場人物(それも責任ありそうなポジションの人たち)が、無能無能アンド無能です。
そこを無視するスルースキルか、ツッコミ自体を楽しむ嗜好がないと、つらいでしょう。
ここから、ネタバレ突入です
沢山の改行を挟まない代わりに、ネタバレと関係ない話を数行しましょう。「IMAX 3D」って、たぶん初めて観ました。
予告の前から、「最高の映画体験をあなたに」って訴えかけまくる。
もともと良いものなのでしょうし、あそこまで自画自賛されたから、さらに「なんか、良いものなのだろうな」っていう感覚で観られたと思います。
やはり、クオリティに自信があるなら「つまらないものですが」って言われるより、「面白いですよ! 凄いですよ! ああ、これが観られるなんて、あなたたち幸せ者だなぁ!」位のテンションでいってもらった方が、こちらも良い気分で観られますね。
さて、そろそろネタバレが嫌な方々は退避できたでしょうか。
ではここからはバンバン突っ込んで行きたいと思います。
良かったんじゃないのかって?
とても良かったですよ? でも、突っ込みたいことも山ほどあるんですよ!
大丈夫、良かったところは褒めますから。
本当に、ネタバレ突入です
今回ありがたかったこと
「良い人」の死人がほぼ出なかったこと。一作目では、真摯な人も誠実な人もわりかし死んでいったんですが(ハンターのマルドゥーンとか、技術者のアーノルドとか。パッとキャラ名が出てきた自分に驚き)、今回、「名のあるキャラ」はほとんど生き延びました。「ああ、この人死なせたくないなぁ」ってちょっとでも思った人は、ご都合展開で生き延びます。
その点、お守り役のザラさんは、可哀想でしたね。
翼竜にさらわれる
→高いところで落とされる
→別の翼竜にキャッチされる
→結局落とされる
→プールに落っこちる
→水面で翼竜に捕まる
→水面上下を行ったり来たりしながらひっぱられる拷問
→翼竜ごと、鰐のお化け(モササウルス?)に食われてフィニッシュ。
痛いし怖いしろくな死に方じゃないですが、名のあるキャラとモブキャラの境目に生まれてしまった不運を呪うしかありませんね。
ラプトルの兵器利用を説いていた小太ル(コブトル)のおじさんは、最初の発言の時点から「あ、こいつ『惨たらしく死んでくれ』枠だ」って言うのが満々の台詞回しでしたが、果たしてその通りでしたね。
読めたけど、作者よくやった。
それにしても、彼があそこまで「ラプトルの兵器転用」にこだわった理由が分かりません。
いや、将来的な話としては分かるんですよ?
でも、
- 今すぐ
- 自分の陣営の兵士と一緒に
運用するとか、怖すぎるでしょう。
せめて、捨て駒扱いできるオーウェン単体で行かせろよと。
その時点までで彼が最後に見た光景では、「飼い慣らしてる」はずの人間(オーウェン)も、危ういところで食いつかれてるからね!? 逃げ切っただけだからね!?
ラプトルって、シリーズで一番、人間の脅威であり続けた恐竜だからね!?(個人の感想です。統計は取ってません)
どっちもこっちも無能伝説
その1.社長(1)
こと危機管理に関して、パーク関係者は無能無能アンド無能でしたね。最初、インド人(?)社長が出てきたときの台詞で、「おっ?」と思ったんですよ。
「恐竜は幸せか?」
「金を惜しむなとハモンドは言った」
「ここは、人間に謙虚さを思い出させる場所だ」
「最高の人員でセキュリティを設けていたのは、ハモンドも同じだ」
お。こいつ、自然の驚異を舐めてない。
でも、だめでした。
「2600万ドルつぎ込んだ生き物を殺せるか?」
「誰がモンスターを造れと言った!!」
だめだ、こいつなにも考えてねぇ。
「でかくて」「強くて」「恐ろしい」外見の生き物、さらに「恐竜以上に」ってそれ、どう転んでもモンスターですやん。
造れって言うとりますがな。
で、1に出てきた研究員さんだ! なんて言ったっけ? リーさん?
「ウー博士」
そうか、ウーさんか。
このおっちゃんもかっこいいよなぁ。
「我々は『マッド・サイエンティスト』だと言うのですか!?」
うん、悪いのはだいたい社長だけど、あなたは充分マッドサイエンティストじゃないかな。
その2.保安部隊(の装備を割り当てた人。社長とか)
今度は、最初に突入していって、一瞬でやられた保安部隊に合掌。どう考えても、装備がおかしいですよね?
戦場は、開けた草原じゃないんです。巨大怪獣に噛みつかれるかどうかの間合いで戦闘が始まるジャングルなんですよ。
麻酔銃って
- 命中する
- 充分に効果がある
と仮定したって、眠るまでにラグがあるじゃないですか。
寝る前に3歩距離を詰められれば、撃った人は結局殺されますよ。
……というか、恐竜がその後も寝なかったという事は、「当たりもしなかった」か「まるで効果がなかった」のどちらかですよね?
犬死にすぎる……。
他の装備にも、笑わせていただきました。
なんか、ネット投擲する奴。
それ、明らかに、ティラノサウルスも拘束できない奴。
超絶技巧で命中させて口を塞げても、相手には爪も尻尾もあるんだぜ?
案の定、せっかく命中させたのにまるで意味がありませんでした。
もう一つ。手持ちのスタンガン槍。
手持ち武器であれに立ち向かう/立ち向かわせるとか、正気じゃねぇ。
一応、押し当てるのには成功してやがる。しゅごい。
その有能さを、危機回避に使うべきだったね。命令を拒否するとか。
その3.クレアおばさん
クッキーは焼いてくれそうにないクレアおばさん。GPSの位置を照会するなら、先にやれ! それが最初の致命傷だ!
その判断がなければ、
あと、おばさんのおっぱいにどうしても目が行って悔しいんじゃ!
あと、全てをほったらかして甥っ子探しに行くな!
どう見ても、あんたナンバーツーだろうが!
指揮系統! 指揮系統!
その4.社長(2)
自ら前線に出るって……。指揮系統……。その5.オーウェン
結局最後まで、パークにおける彼の立ち位置が分からなかったのですが。立場のある保安職員なら、無能(全体をほったらかしすぎ)。
単なるオブザーバーなら、よく頑張ったんじゃないかな。
前作とのつながりシーン
いろいろ、前作とつながるシーンがありましたね。見落としてるところも多数あるでしょうけど、どっかにまとまってるのかな?
- 遺伝子モチーフのキャラ
一作目で、ハモンド社長の「クローンを作る茶番」(映像ハモンドと現実ハモンドの掛け合い。実際は現実ハモンドが台詞を覚えてなかったから、ぐだぐだ)あたりに登場してたやつだ!
- 暗視スコープ
一作目で、ティム(男の子)が被って喜んでた奴です。
ティムが被ってた奴そのものというよりは、当時のジープに標準装備だからでてきたんですかね。
- ラプトルの死骸
二作目で、体操少女に蹴落とされた奴ですよね?
- 壁の恐竜絵
一作目のレストランかと思ったんですが、どうなんでしょう?
- ジープでぶち破った、懐かしの高圧電流柵
掴んではいけません。感電してしまいます。3つ数えてる場合ではありません。
- クレアおばさんが、発煙筒でティラノを誘導
一作目で、グラント博士(主人公)とマルコム博士(二作目主人公)がやったやつだ。
でも、今回の段取りは、マルコム博士のそれに近かったですね。
グラント博士は発煙筒を充分に振り回し、ティラノの目を引きつけてから投げたんですけど、マルコム博士は走りながら適当に投げたから、発煙筒で興味を引けずに、ティラノに追われ続けたんですよ。
今作がマイルドで良かったなクレアおばさん。一作目ならお前は死んでいる。
- 恐竜が辺りを襲う手続き
主に、ティラノと今回の改造恐竜の話。
前からこんな感じですね。
臭いで大体のアタリを付ける
→動かなかったら、吠えてみる
→耐え抜かれたら、適当に辺りの物をすっ飛ばしてみる
→しびれを切らして逃げたら、動いたら、襲う
(遮蔽物が吹っ飛ばされてもジ・エンド)
良かったシーン
を挙げたら、いい加減寝ましょう。- オープニング
卵の中から見つめてくる恐竜はインパクト充分で、怖かった。
- ポッドでの遊覧。無数の恐竜たち。
- ラプトルとバイクの疾走、併走
「あれ? なんでここまでうまく懐いてるの?」なんて思いましたが、かっこよかったからいいのです。
- 停戦してくれるラプトル、インドミナスに襲いかかってくれるラプトル
本作のご都合主義の最たる展開ですが、熱かったからいいのです。
オーウェンとの共闘は格好良かった。
- 怪獣大戦争
お子さま向けでもいいのです。楽しいのです。
- ,エンディング、吠えるティラノ
この空間、この体験ともお別れか、と思うのに充分でした。
風景はきれいだし、傷跡の表現も格好良かった。
帰宅後、ここまで一気に書き上げてしまうくらいには気に入りました。
気が向いたら、是非どうぞ。
(今井四郎)
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