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「PTAを叩くオタク」の愚かしさ

千葉県で発生した女児殺害事件で、女の子の通う小学校のPTA会長が、犯人として逮捕されたそうですね。

PTAと言えば、「コンテンツに『良識』を求めるヒトビト」というイメージがあります。

ドリフターズの番組は下品だから子供に見せられないとか
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・過剰な露出のあるアニメは放送するなとか
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・アニメオタクは性犯罪者予備軍だから子供に近付くなとか
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(画像はイメージです)

そんなわけで、PTAに敵愾心を持っているオタクは少なくないようです。

「散々、俺たちを犯罪者扱いしてきたPTAから、犯罪者が出たぞ」
「同じ理屈で、PTAも犯罪者扱いしてやろうぜ」

具体的なツイートは省きますが、上記のような書き込みを、ツイッターで見かけました。
しかし、それが「正義」とか「正当な権利」だと思って発言してるなら、やめた方がいいです。*1
なぜなら、この発言は2段階のレイヤーで、「オタク差別主義者のPTA」と同じ『加害者』となってしまう行動だからです。

殴られたからといって殴り返してよいのか問題

いわゆる、「復讐は何も生まない」って奴ですね。

PTAの構成員が、「オタクの犯罪者がいた」ことを根拠に「オタクは犯罪者」と発言した。
PTAの構成員が、犯罪を犯した。
オタクを犯罪者扱いしたPTA構成員が、「PTA構成員だから犯罪者扱い」された。

正直、このパターンはどうでもいいです。
殴られたからといって殴り返した。
このとき、「殴った」という部分で両者は同じ立場になりますが、「攻撃を加え、戦いを始めた人間」と「反撃した人間」が同じ扱いになってはたまりません。

「差別をした人間が、差別されるようになった」
この現象は、あっても別にいいんです。
問題は、次のケースです。

結局、無関係の人まで殴っているぞ問題

PTAの構成員が、「オタクの犯罪者」がいたことを根拠に、「オタクは犯罪者」と発言した。
PTAの構成員が犯罪を犯した。
オタクは「PTAは犯罪者」と言って、PTA構成員全体を差別した。

先ほどとの違いが分かるでしょうか。
先の例では、「差別の加害者が、差別の被害者に」なりました。
後の例では「差別の加害者と同じ属性を持つだけの人が、差別の被害者に」なりました。

これは、「オタクが犯罪を犯したから、オタクは犯罪者だ」と言ってる人と変わりません。
その結果、なんの関係もない人を被害者に引き込んでいます。

この思考の途中には、「PTA構成員はオタクを差別しているものだ」という「差別」が挟まっています。

誰かに殴られたからといって、無関係の人を「殴り返す」のはありえません。
それは、純粋な加害です。

まとめ

「属性の持つイメージ」を根拠に、差別をしてはいけません。
「オタクは犯罪者っぽい」というイメージを根拠に、オタクを差別してはいけません。
「PTA構成員は差別主義者っぽい」というイメージを根拠に、PTA構成員を差別してはいけません。

今回の事件で、迫害されてきたオタクが行うべき反差別運動は、「この通り、属性のイメージを根拠に人を差別するのは、愚かなことだよ」と主張することだけなのです。
(今井士郎)

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*1:ゲスな行動だと了解して発言してる人については、止めようがないです。