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シン・ゴジラ ネタバレなし感想「こんなに死んで欲しいゴジラが、今までいただろうか」

この夏最強の話題作を観てきました

ご無沙汰しています。今井と申します。
昨日、夏休み前の最後の勤務が終了しました。
打ち上げ気分で観てきましたよ。
シン・ゴジラ』。
私の周囲では、『パシフィック・リム』くらいの「観ていて当然映画」になりつつある作品です。

ということで、今回はシン・ゴジラおすすめ記事です。

シン・ゴジラ』の評価

一言、言わせていただけるとしたら、あれです。
興味があるなら、観に行ってください。
四の五の言わずに、観に行ってください。

こんな記事閉じて、
公式情報を探しにも行かず、
Wikipediaなんて間違っても開かず、
最寄りの映画館の上映スケジュールだけ調べて、
あとはネットにも触れず、
観に行ってください。

この映画の大きな魅力は、先の展開を固唾を飲んで見守ることにあります。
時間が経てば、ネタバレに遭遇するリスクは上昇します。
ネタバレを見た記憶は、あなたの脳内から消せません。

ネタバレに遭遇してからこの映画を観て、気に入ったとしたら。
前情報を仕入れたことは、あなたの映画人生にとっての損失です。

反響のある映画です。
日本映画史に名を残すかまでは分かりません。
たぶん、残ると思います。
日本「怪獣」映画史には、間違いなく名を残す映画です。
これからも、語り草になる映画でしょう。
もし、観に行こうかと迷っているなら、全ての情報をシャットアウトして観に行くべきです。
公式の予告編すら見にいく必要はありません。

この作品を、新作として、映画館で観られるのは、一種の幸運ですらあると感じます。

ネタバレにならない程度の内容紹介

以降を読む前に、公式サイトの予告編を見てきてください。
www.shin-godzilla.jp

予告編を見て観に行く気になったなら、回れ右。
私の書く情報なんて要りません。*1
ブラウザを閉じて、観に行ってください。

あらすじ

東京湾で、謎の水蒸気噴出、海底トンネルの振動と破損、といった事件が起きた。
政府は早急に、対策会議を招集した。
主人公・矢口蘭堂(やぐちらんどう)内閣官房副長官の「巨大生物が蠢いているのでは?」という発言を一笑に付し、火山活動による天災の可能性を最有力として、対策を検討する政府。
しかし対策会議のさなか、参加者たちの目に飛び込んで来たのは「巨大な尻尾」を映し出す、テレビ中継映像であった。

日本政府、自衛隊、米国政府、国連。
巨大な生物相手に、法に則った政府は何をできるのか。
自衛隊による武力行使は可能なのか。
在日米軍の助力は。
米国政府の思惑は。
内閣の支持率は。
国民の生命と財産はどうなるのか。

未知の巨大生物に、自衛隊は勝てるのか。

人類の叡智を総動員した、巨大害獣との対決が始まる。

断片的な感想

両親がゴジラ映画には否定的だったため、ゴジラ映画を映画館で観たことはありませんでした。
ゴジラ映画*2は、テレビやビデオでいくつか観た程度です。
シン・ゴジラ』が、初めて劇場鑑賞するゴジラ映画となりました。
そんな私の感想です。

実在兵器が、ちゃんと強そう

怪獣映画のお約束があります。
怪獣に、通常兵器は通用しません。
通常兵器とは、現実の軍隊で使用しているような兵器のうち、核兵器を除いたものです。
メカゴジラ』『モゲラ』といった架空兵器も、「通常ではない兵器」ですよね。
……「通常」とは言いつつも、軍事兵器って科学技術の粋が集まってるはずなんですけどね……。

戦車や戦闘機は、やられ役。

ミニチュアの兵器が、着ぐるみの怪獣に対して、よく分からない火花みたいなものを「砲弾」「ミサイル」と称して撃ち込む。

これが、私のイメージする「怪獣映画における、通常兵器の扱い」でした。

しかし、シン・ゴジラでは違います。
戦闘ヘリを筆頭に、どの兵器もかっこいいです。
実物を使用した映像もあれば、CGで補完した映像もあるのでしょうが、きちんと「最新鋭兵器の矜持」が感じられます。
強そうです。

やられるために出てくるのではなく、国民を守る最後の砦として、強い意志を持って運用されているのがよく分かりました。

そんな兵器たちの攻撃がどうなったかは……君の目で確かめてくれ!!

人間臭いが無能ではない、しかし完璧にもほど遠い政治家たち

主要登場人物は、全て政府関連の人間です。
この作品は、ゴジラという害獣が日本の行政機関と対決する映画です。

主人公の矢口は、全編にわたって前向きな姿勢を崩しませんが、総理大臣は相当に迷いますし、日和ります。
国民を安心させるために記者会見でハッタリを打って裏目に出たり、自衛隊の投入をためらったりします。
しかし、決めるところでは決める男です。

この映画では、自衛隊のシビリアン・コントロール*3は崩れません。
自衛隊の立ち位置は、アレですね。

銃は私が構えよう。
照準も私が定めよう。
弾を弾倉に入れ遊底を引き、安全装置も私が外そう。
だが殺すのはお前の殺意だ。
(平野耕太ヘルシング』より)

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総理の命令がなければ、自衛隊は引き金を引けません。
だからこそ、総理は命令するのです。
結末が読めなくても。
怪獣出現に居合わせた、自らの不運を呪っても。
覚悟を決めて。

あの「迷う」「決める」のバランスは、エンタメの人物造形としては妥当な落としどころかなーと思いますね。

そんな総理がどうなったかは……君の目で確かめてくれ!!

ゴジラ怖い。死んで欲しい。

怪獣映画の怪獣に、ここまで恐怖を覚えたのは初めてです。
テレビで見ていた怪獣映画とは、いろいろな状況が変わっています。

  • 怪獣はリアルになりました
  • 兵器もリアルになりました
  • 状況描写も、相当リアルになりました
  • 受け手の感情移入の能力が向上しました

昔は、ゴジラが街を破壊しても、「ゴジラつえ~」で済んでいました。
しかし、ゴジラの恐ろしさはリアルになり、こちらも被害者への感情移入が強まっている。
「怖い! 怖い! 怖い!」
「政府でも何でもいいから、早くなんとかしてくれ!*4
という思いが、非常に強かったです。
特に中盤以降。

絶望感に身を任せて、泣きそうになりました。
最高に楽しい絶望でした。

気に入らない人には、苦痛かも

演出や演技方針に、かなりクセが強いです。

  • 楽しい人には、どこまでも楽しいです。
  • 慣れてしまえば、気持ちよくなれる可能性があります。
  • 最後まで慣れない方は……残念です。この作品はあなたには合いませんでした。

なお私は、二番目の人でした。

最後に

言いたいことは、先ほどまでの繰り返しです。
興味があるなら、四の五の言わず、観に行け。
幸せな人が増えるといいなと思います。
(今井士郎)
今週のお題「映画の夏」

第一作。
レンタルで観てみようかと思います。

*1:本記事の途中で回れ右しても、先生、怒りませんから。

*2:昭和版『モスラ』を含む

*3:文民統制。軍隊に独自の権限があるのではなく、あくまでも軍隊は政府の命令に従う機関である、という体制。

*4:ただ、核攻撃は勘弁な。