今日も元気に問答御用

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横浜で モーションブルーで初Jazzで

今日は、横浜のモーションブルー・ヨコハマに行ってきた。
前々から興味はある施設だったのだ。
食事をしながらジャズを聞けるという、オシャレ空間は。
ちょっと安くチケットを手に入れられるチャンスがあったので、ようやく機会を作ることができた。

自分の、音楽を楽しむ素養はどんなものかと、不安もないではなかった。高い金を払って、退屈してしまったら二重にショックだろうなと。
結論から言うと、いらぬ心配だった。

堪能した。

今日のメイン奏者は、矢野沙織氏。かつての報道ステーションのテーマ曲で聞き慣れた、あの曲(『Open Mind』という曲らしい)を演奏していたアルトサックス奏者だ。
バックバンド(という呼び方が適切なのかは、浅学にして知らないのだが)にピアノ・コントラバス・ドラムスを引き連れて、約90分の演奏を見せてくれた。

私は、大学時代から演劇畑に身を置いてきた男だ。
趣味にすぎないレベルではあるが、ステージの上から、楽しみを「提供する」側に立ちたいと願望し、多少のレベルで叶えてきた。
良いと感じる作品やパフォーマンスを見ると、ほんの一端でもいい、パフォーマンスを展開する側に身を置きたくなる。そんな嗜好の持ち主だから、わざわざ自分で舞台を作ってきた。

そんな私が、音楽で感動しながら、目立ったリアクションをとれないというのは、ちょっとした苦痛でもあった。
音楽の奔流が叩きつけてきたら、その流れに身を任せて、一緒に流れていきたい気持ちになる。
私の言う「一緒に流れる」とは、一緒に歌ったり踊ったり音を出したり、とにかく、その音の奔流に「参加」することだ。
ただまぁ、まともに考えれば、特にスキルもない、訓練もしていない人間が、ジャズの演奏に一人「参加」なんてしようものなら、他の客から見れば、聞くに耐えない、見るに耐えない醜悪なノイズ以外の何者でもない。
そういうのは「参加」というより、「乱入」という。
その程度はさすがにわきまえているので、音の楽しさにぶるぶると身を振るわせながら、突風に耐えるような気持ちで興奮と戦う羽目になった。
もっと軽い、ライブハウスで行われるようなコンサートであれば、声を出したり踊ったりも出来たのだが(笑)

一番気に入ったのは、ピアノ奏者の演奏だ。
さんざん鍵盤から指を浮かせて、適当に叩きつけているように見えるのに、叩きつけた先では的確な鍵盤を捉えている。
その動きが楽しそうで、見ているだけでも小気味よくて。
特にヴィジュアル面で一番注目していたのは、ピアノだったろう。

メインを張っていたサックスも、当然素晴らしかった。
口笛やボーカルも織り交ぜていて、いずれもいい音・いい声で呆然としていたのだが、やはり中心はサックスの演奏である。
金管楽器やサックスは、クラリネットのような木管楽器と比べて、終始「破裂」している感じの音になる。
常にエネルギーが臨界点を越えて発している感じが迫力につながっていて、胸にざくざく突き刺さってくる何かを感じていた。
高音、ハイスピードになればなるほど緊張感が増してきて、ただ音楽を聞いているだけで力んでいく自分を感じた。
悲しげなメロディラインを聞いている時は、「満ち足りたもの悲しさ」というフレーズが脳内を流れていたが、このポエム的なフレーズは、使う機会がなさそうだ。残念。

大興奮の合間に、旨い酒と旨い料理も付いてくる。
割引を受けてもなお、相当な金額が飛んで行く場所ではあったが、とにかく大満足だ。

世の中には、こういう種類の贅沢もあるのだな、と非常に勉強になった。

どのような頻度で行けるものか、全く未知数ではあるが、絶対に、また行こう。
(今井四郎)