世の中はコロナ・コロナ・コロナ……
新型コロナウイルスの感染拡大で、世の中がピリピリしてますね。
これまで知っている病気とは違う、何か恐ろしい病気。私も恐いです。
しかし、病気が恐いからと引きこもっている訳にもいきません。私たちは合理的な方法で、自分なりに身を守る必要があります。
自分が感染しないで済めば、感染源にもならない。良いこと尽くしです。できることをやりましょう。
ということで、厚労省のサイトを見てみると……
<2020/3/3時点で存在していたサイトが、リンク切れしてしまいました>
2.感染予防のためにできることはなんですか? 以下のことを心がけましょう。
- 石鹸やアルコール消毒液などによる手洗い
- 正しいマスクの着用を含む咳エチケット
- 高齢者や持病のある方は公共交通機関や人込みを避ける
といったことが書いてあります。
「いや、それは知ってる。もっと劇的でなんかすごい予防法はないのかよ」と、ついつい思ってしまいますね。
ただ、特効薬もない今、「これさえやれば感染しない」というウルトラCもないんですよね……。
そんなことを考えたとき、思い出したのは、浦沢直樹『パイナップルARMY』の一説でした。
ジェド・豪士の語る「護身」のやり方
パイナップルARMYって、どんな作品?
『パイナップルARMY』は、『YAWARA!!』『MASTERキートン』『MONSTER』『20世紀少年』といった有名作品*1を世に送り出した浦沢直樹が作画を手掛けた、最初期の作品です。原作は工藤かずや。
戦闘インストラクターのジェド・豪士(ゴウシ)が、依頼人に戦闘スキルを叩き込んだり、依頼人周りのトラブルを解決したりする作品でした。
最近の「風呂敷、畳む気あるの……?」と言いたくなるような浦沢作品と比べて、好きな方も多いだろうと思います。
この記事を書くにあたり電子版を買おうと思ったのですが、物理書籍しか出ていないのですね。残念……。
- 作者:工藤 かずや
- 発売日: 1995/11/17
- メディア: 文庫
手元に書籍がないため、出典情報や台詞は記憶に基づくものです。ご容赦ください。
ここが大事
暴漢や狙撃による襲撃を恐れるお金持ちに、ジェド・豪士が護身のコツを講演するシーンがあります。
述べたコツはこんな感じ。
- 窓際に身を置くな
- カーテンを開けるな
- ドアの前に立つな etc……
講演を聞いていた客は不満顔です。
「そんなことは知っている!」と。
対する豪士の質問は「では、それを徹底できていますか?」でした。
言い淀む客。
「当たり前の対策を『徹底する』こと。それこそが護身だ」
私たちが「護身の方法を教えてもらう」となったとき、ついつい、暴漢と格闘になったときの切り抜け方とか、尾行者の撒き方のように、スパイ映画みたいな対抗方法を期待してしまいます。
しかし、少し冷静になれば分かるとおり、「セミナーで聞いた格闘術」で(大抵、自分より腕力が強そうな)暴漢をやっつけるのは、まず不可能なんですよね。ハードな格闘技のトレーニングを積んでいる人でも、日常生活で暴漢相手に技を出せるとは限らないといいます。
ならば、護身として心がけるべきは「地味で、『当たり前』の対策を『徹底』する」こと。
暗いところに行かないこと、単独行動を避けること、etc……。
これをやらなくても、すぐ暴漢に絡まれることはないでしょう。
私も実践は難しいです。
しかしこれらは、「暴漢に絡まれて被害を受ける」という可能性を、千が一から万が一に、万が一から億が一に下げてくれる行動です。
「セミナーで、暴漢の手首の捻り方を教えてもらう」よりは遙かに実戦的であることが、少し考えれば分かります。
この「地味な教え」、「手を洗いましょう」というコロナ対策とダブりませんか……?
まとめ
- 特効薬がない以上、新型コロナ対策は「地味な対策の『徹底』」しかない。
- 私にこれを教えてくれた『パイナップルARMY』面白いですよ?
- インフルエンザは、「ワクチンの接種」という予防に有効な派手な武器があるんだし、使いましょうよ……*2
(今井士郎)