今日も元気に問答御用

アラサーサラリーマンが「考え方を考えてみる」「考えたことを書き残す」ブログ。ツイッターアカウント @shiroimai

「お酒の味が分からない」人向け 日本酒入門法

「日本酒の味が分かる方法」を語りたい

先日、「ワインの味が分からない」という記事を読みました。

筆者にとってワインは「付き合いで飲むもの」であり、「飲みやすい/飲みにくい」「赤/白」以外の区別はないもの、とのことでした。

さみしい。

酒好きとして、せめて「おいしい(好き)」「おいしくない(好きじゃない)」という軸で語って欲しい。

というわけで、日本酒の味が分かるようになるための記事を書いてみようと思い立ちました。

なぜ、日本酒かというと、この辺が理由です。

  • 単純に、今井が日本酒の方が好き
  • 日本酒の方が、「お手頃価格で飲み比べ」できる店が多い
  • 日本酒とワインのジャンルは似ているので、日本酒に慣れればワインにも慣れる

あとの2つについて、説明しますね。 (今井の好みはどうでもいい)

日本酒の方が、「お手頃価格で飲み比べ」できる店が多い

私の知っている店の偏りかもしれませんが、「ワインをお手頃価格で飲み比べられる店」って、ほとんどありません。
グラス一杯単位、700円未満で出してくれるのは赤・白の各2種類くらいまでがほとんどで、「あとはボトルです。1本*1 3,000円~」みたいなところが多いです。おそらく、お酒の変質・劣化のペースが関係するのでしょう。

しかし日本酒は、ちょっと品揃えの良いところであれば、10種や20種くらいを飲み比べできる店も珍しくありません。最小単位*2で、まあ、700円出せばそれなりに選べるでしょう。物にもよりますが……。 「味が分かるようになる」ために、「味を記憶しておく」なんてこと、簡単にはできません。違いを理解するためにはその場でいろいろ飲み比べてみるのが近道です。 ですから、日本酒の方が「違いが分かるように」なりやすいのです。

日本酒とワインのジャンルは似ているので、日本酒に慣れればワインにも慣れる

日本酒もワインも「醸造*3」です。

お米が材料の日本酒と葡萄が材料のワイン、近いとはとても思えませんが、アルコール度数はほとんど同じ*4ですし、結構味も似ていたりするのです。

日本酒が「おいしい」と感じられれば、ワインも飲みやすいのではないでしょうか。

でも、日本酒だって「どう飲み始めればいいか分からない」人は多いでしょう。 なので、「繊細な味覚」「お酒に詳しい友人」も要らない、極力誰でもできそうな日本酒入門の方法をご提案します。

前提

この方法を試す前提は、こんな感じです。

  • 飲みたいこと
  • 3回の味見
  • ワインで試す時は

解説します。

飲みたいこと

日本酒を「飲みたいこと」は、大前提です。 別に、「好きであれ」ということではありません。 「今は嫌いだが、好きになりたい」「興味があるだけ」という人がこの方法を試すのは歓迎です。

ただ、「本当はお酒なんて飲みたくない」人に無理強いする口実として、この方法を使うのは絶対にやめてください。

お酒は、おいしく飲みましょう。

3回の味見

私が提案するのは、この3ステップです。

  • 日本酒がおいしいと思う
  • 日本酒の味が違うことを知る
  • 日本酒の味を覚えていく

最初の「おいしいと思う」のが、一番の関門です。 おいしいと感じてしまえば、あとは自然と、飲む機会も増えるでしょう。 頑張って「味の違い」を覚えなくても「違いはわかんないけど、おいしいね」で満足できるなら、一向に構いません。 日本酒を一杯飲んだ。おいしかった。 そういう方は、おめでとうございます。今後もおいしく飲みましょう。

しかし、世の中はそんな人ばかりではないと思います。 不慣れな日本酒を飲み始めたら、「全然おいしくない」と思う人がほとんどではないでしょうか?

私が経験則としてオススメしているのは、「別々の機会に、3回は味見をしてみる」ことです。

舌が「慣れる」機会を作ってあげるということですね。 一番オススメなのは、おいしい日本酒(「日本酒」という名前ではなく、銘柄を提示して提供されているもの)を飲んでいる人に、半口だけ、分けてもらうことです。 おいしければ、自分でも頼んでみる。 おいしくなければ、その場はおしまい。次の機会にまた試してみる。 「3回」のスパンは問いません。でも、1週間ずつくらいは空けた方が良いかもしれませんね。

「半口分けて」とできる、日本酒が好きな友達がいないなら、ちょっと大変ですが、一番少ない単位の日本酒を頼んで、おいしく飲めるか試してみましょう。

「3回」という数字に根拠があるわけではありませんが、舌に合うならだいたい、そのくらいの機会で慣れるんじゃないでしょうか。

気が向くのならもちろん、5回試しても10回試してもOKです。

「あ、日本酒おいしい」と思えたなら、目的の8割は達成したような物です。

ワインで試す時は

この後、「日本酒の違いが分かるようになる方法」を解説しますが、ワインで試すときは、「白」「赤」「ロゼ」のそれぞれの枠組みで

  • おいしいと思う
  • 味が違うことを知る
  • 味を覚えていく

というステップを踏んでいけばいいでしょう。 日本酒が好きになっているなら、白ワインの方が渋みもなくて、飲みやすいと思います。

日本酒の「違いが分かる」人になる方法

1. 日本酒を紹介してくれる店に行く

まずは、「日本酒を紹介してくれる」飲食店に行きましょう。

すいません。「日本酒に詳しい友達がいなくても」できる方法となると、この要素は外せませんでした。 本当は「食べログで『~~』と検索すれば、そういうお店が絶対に見つかります」くらいのアドバイスをしたいところですが、便利なキーワードは見つかりませんでした。

グルメサイトで「日本酒の品揃えが豊富」と評価されていれば、3店舗に1店舗くらいは、そういう店なんじゃないかな、と思います。 数字は割と適当ですが、相談すると乗ってくれる店は、意外とありますよ?

店員さんに後述の質問を試してみて、困った顔をされなければあたりです。 「そんなこと言われてもなぁ……」って顔をされたら、引き下がりましょう。

東京、神奈川の方なら方舟にいっとけば良いんじゃないですかね。

新宿や銀座にも店舗のあるチェーン店です。大衆居酒屋と比べると少しお高めで、たらふく飲むと結構な金額になってしまいますが、料理もお酒も、店員さんの知識も、まず間違いないです。

あと、チェーンだと「四十八漁場」も、相談にはよく乗ってくれますね。

2.「料理に合う酒」を頼む

まずは、「日本酒がおいしい」と感じるのが大事です。

日本酒に詳しいお店でメニューを開いたら、食べたいフードメニューを注文しましょう。 そして、すかさずこう聞いてみましょう。

「このメニューと合う日本酒、ありますか?」

「よくぞ聞いてくれました!!」的なリアクションが返ってくれば、そのお店はあたりです。*5

「え……? そんなこと言われてもな……」というリアクションが返ってきたら、残念。自力でなんとかする方針に転換しましょう。 ビールや果実酒を飲んでも良いですし、名前のフィーリングを頼りに、当てずっぽうで日本酒を飲んでみるのも楽しいです。 「相模川(さがみがわ)」「北雪(ほくせつ)」といった「名前のフィーリング」が存在するのは、名前がカタカナのワインと比べて、日本酒の取っつきやすい、いいところですよね。

なお、多少日本酒に慣れても、「このメニューと合う日本酒、ありますか?」というフレーズは、ずっと使えます。私もしょっちゅう使います。
逆に「この日本酒飲みたいんで、よく合うツマミを見立ててください」という言い回しもよく使います。便利ですよ。

お店の人に紹介してもらうことで、おいしい日本酒に出会える可能性はグンと高くなります。
日本酒とツマミには、「合う味」「組み合わせがイマイチな味」というのが、厳然とあります。 よく分からないうちは、まず聞いてみましょう。

「料理と合う日本酒」がおいしく感じられたら、次のステップに進みましょう。
おいしく感じられなかったら、次のステップに進んでも良いですし、その日はやめてしまっても良いです。

3.「違う味」を知る

「日本酒がおいしい」「日本酒が料理に合う」という感覚が分かったら、次は「味が違う」ことを感じてみましょう。
飲みかけのおいしい日本酒を飲みきるのは、ちょっとストップ。まだ残っている状態で「これとは味が違うのを、一杯ください」と頼んでみましょう。
飲みかけのお酒を「これ、おいしいです」と言ってみれば感じが良いですし、恥ずかしくなければ「いろいろ試してみたくて」「日本酒の種類を知りたくて」くらい言ってしまうと、店員さんも対応しやすいと思います。

私は、選んでもらったお酒がおいしければ、店員さんを絶賛するようにしています。

新しいお酒が来たら、飲みかけのお酒とひと舐めひと舐め、味比べをしてみましょう。間にお水を挟むとベターです。

「なるほど、別の味だ」ということが分かったら、おめでとうございます。あなたは「違いの分かる人」になりました。

分からなかったら、「おいしいからいいや」と日本酒を飲み続けても良いですし、諦めて、次の一杯からは別のお酒にしても構いません。

1~3を繰り返すのが、「日本酒の違いがわかる人」になる近道です。

違いを感じたら、「甘い」「辛い」「すっきりしている」とか「フルーティー」とか、直感で言語化してみましょう。舌が分析的に感じやすくなります。
ただし、恥ずかしがり屋さんは、その感想を人に伝えるのはやめた方が無難かもしれません。
日本酒には「辛口」「甘口」「フルーティー」といった評価が一般的に行われており、

「甘くておいしい!!」
「『辛口』なんですけど……」

といったことが普通に起こります。
私は恥ずかしくないので、直感をそのまま口に出してしまってます。

おまけ1. 銘柄を覚えてみる

おいしい日本酒に出会ったら、銘柄を覚えておくと、次の機会に活かせます。
「味は正直覚えてないけど、○○ってやつがおいしかった!!」というと、詳しい人はそれをヒントにおいしいお酒を見つけてくれたりします。
個人的には「黒龍(こくりゅう)」「日高見(ひたかみ)」「吉野川(よしのがわ)」あたりが「確か、おいしかった!」枠の好きなお酒です。

おまけ2. お勉強してみる

気が向いたら、本でお勉強してみましょう。

この記事でははしょった、「吟醸」「純米吟醸」「大吟醸」「山廃」「生原酒」なんて言葉も覚えると、日本酒がもっと楽しくなります。

個人的には、日本酒・ワインにカクテルまで網羅した、こちらの本がオススメです。重宝してます。
特にワインの知識は、この本で手に入れました。

世界で一番わかりやすい おいしいお酒の選び方

普段の味覚から分析する「あなたの好きな日本酒占い」なんて記事もあって、実用性が高いです。

日本酒を飲むときの注意

最後に、不慣れな人が日本酒を飲むにあたってのアドバイス

日本酒を飲むときは、水をがぶ飲みしましょう。

二日酔いに陥る可能性を、大幅減してくれます。

可能なら、日本酒:水を1:2。
それは無理でも日本酒:水を1:1くらいで飲むのがオススメです。

おいしい日本酒で気持ち悪くなるのは損ですからね。
お酒は、おいしく飲みましょう。 (今井士郎)


実家の本棚にあった『HOTEL』の、「日本酒ソムリエ」の話を読んで、「日本酒には、料理に合う、合わないがあるらしい」と学んだのは、お酒を飲む10年前でした。
(残念ながら、同エピソードの収録巻は、分かりませんでした)

*1:720ml。お酒に不慣れな人がおいそれと注文できる量ではありません。

*2:半合=90mlとか、1合=180mlの店がほとんどです。

*3:食品を発酵させたお酒。よく比較対象になるのは、焼酎やウイスキー等の『蒸留酒』。

*4:いずれも14~15度程度。

*5:説明してくれるお店では、こう聞くと店員さんが嬉しそうな顔をします。