「ゲーム」の難易度について分析し、最終的に『艦これ』のイベント難易度を嘆く形で終わるこの記事が、人気エントリとなっていました。
難易度とゲーム評
- ゲームの大事な価値を、難易度が占めていること
- ゲームの価値を最大化する難易度設定は、無茶苦茶難しいこと
これが、上記記事前半の要旨です。
古いゲームから新しいゲームまでいろいろな実例を挙げて分析しています。
「ストーリー」や「CG」といったゲームの向こうのご褒美「だけ」が欲しいのなら、難易度なんていりません。むしろ、ゲームである必要はありません。
ストーリーだけ見たければ小説・マンガ・アニメを見るべきだし、絵だけ見たけりゃCG集を見るべきなのです。
なに? 本来ならご褒美だけ欲しいけど、このコンテンツはゲームでしか発売されてないんだ?
そういう人が多数派ならば、「それをゲームとして発売した」という供給者の戦略が誤っています。
(え? ガチャで儲かるから戦略として最適なんだ? ……たしかに商業的に見ると、供給者側からは最適解かも……)
と、とにかく、ゲームとして楽しむためには
- 成功した
- 上達した
- 運がいい
- 頭がいい
- 才能がある
- 一番金を使った
- ゲーム世界の登場人物に感謝された
等々、なにかの「達成感」が目的になっているはずなのです。
達成感を得るためには、何かを「達成」する必要があって、達成感を与えるデザイナからすれば、プレイヤーに達成感を「与える」必要があって。
最適な難易度とか、達成感の与え方が難しいというのは、TRPGのGM経験者として、痛感しています。
(TRPGだのGMだのの意味が分からない方は、今井が「お手製ゲームのデザイナをしたことがある」のだと読み替えてください)
そんな「難易度の意味」についていろいろと考察されている部分は、納得しつつ楽しく読みました。
『艦これ』は本当に『全プレイヤーを不幸にしている』のか
艦これ。ここでできるゲームです。
[http://sp.dmm.com/netgame/feature/kancolle]
どんなゲームかというと、旧日本海軍の軍艦をアイデアモチーフにした美少女キャラを「これくしょん」して、化物と戦わせるシミュレーションゲームです。
キャラクターの「これくしょん」方法の一つに、「期間限定でしか挑戦できない高難易度のステージでボスを倒すと、一定確率(低確率)で『ドロップ』する」つまり、「時間をかけて準備を整えて、頑張って敵を倒してね? 運が良ければ、レアキャラあげちゃうぞ?」という仕組みです。
元記事の筆者さんは
「俺たちからこれ以上時間を巻き上げる気かよ畜生! 楽しくない! もう楽しくないよ! 楽しんでる人なんていないって!」
「キャラ集めてる人だって、『そんなの楽しいの?』って冷ややかな目線で言われてるよ!? ほら! 楽しんでないよ!」
と言っています。
私ですか? 楽しいですよ?
艦これで、ソーシャルゲームで、ゲームで不幸にならないヒトビト
ちなみに私は、「最高難易度を難なくクリアする上位プレイヤー」ではありません。「なんとかクリアする高位プレイヤー」でもありません。「低難易度を、行けるとこまで行こうとする、低位~中堅プレイヤー」です
結局のところ、ゲームを「健全に」楽しめるのって、こういうヒトビトなのです。
- 達成したところまでで良しとする
- ガチャみたいな確率だよりの課金項目に、金を払わない。払っても少額
- 「手に入れられなかった」「達成できなかった」が、大したストレスにならない。時には、「悔しさというスパイス」に変換して、逆に楽しさにしてしまう
こんな態度でいられる人であれば、「全員が不幸になる」と評されるシステムでも、幸せになることができるのです。
そうでないと、仕事とか友人とか勉強とか手を付けちゃいけないお金とか、なにかしらの「被害」が出てきてしまいます。
「達成」がつまらなかったら? 他のゲームか他の娯楽か勉強か、ブログ執筆に時間を使うだけです。
金払いもしょっぱいから、こんな「健全な」ヒトビトばかりじゃ今時のゲーム市場は買い支えられないでしょうがね。
頭の隅に置いておいて欲しいこと
こんなの単なる理想論だったり、ヌルゲーマーの言い訳だったりするとお思いでしょうが、「ゲームが苦痛だ」
「惰性でやってる」
「お金ばっかり飛んでく」
「なんでやってるんだっけ」
と思った時には、こんな考え方を思い出してみてください。
ゲームは、楽しみのためにやるんやで。苦痛になったら、無理にやらなくてもええんやで。
では、私も暁の水平線に勝利を刻んできます。
おいこのクソ羅針盤、ここで逸れてんじゃねぇよ! バケツあと50個しかねぇんだよ……
(今井四郎)
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