聖闘士聖矢 女性化問題
少年ジャンプの人気漫画『聖闘士星矢』の新作アニメ化が発表され、一部キャラが女性化されることが話題になっています。
外野である私からよく見えるのは、批判的なスタンスが主です。
「主役の性別が変わってしまうのなら、それは私の愛した作品ではない」
「どうせ、ポリコレに配慮して性別設定を変更したのだろう」
「ポリコレが作品を歪める例だ」
といった論調ですね。
「だから興味がない」「(観たが)だからつまらなかった」という意見は、大いにあっていいはずです。ただ、「キャラの女性化は作品への冒涜だから、そのような作品の発表は許されるものではない」というスタンスのオタクがいるのであれば、その人の論理的一貫性はかなり危ういのではないかと思うのです。
「女性化作品」、全く興味ないですか?
最近のアニメ、ゲームといったオタク文化では、「過去の実在人物」や「信仰対象」をキャラのモデルとした作品が数多く登場しています。
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具体的な人間を対象にしているわけではありませんが、『艦これ』だって似たようなものでしょう。
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これらの作品を見ていると、「大丈夫かな」と思っていたのです。
特に「実在の遺族や関係者がいる軍艦」の美少女化とか、「実際に信仰されている神様のアニメキャラ化、美少女化」とか。
私はいまのところ、そういう表現に嫌悪感はありません。
ですが、軍艦関係者の遺族が艦これに嫌悪を表明したら、神を信仰している人が「神様の美少女化」に嫌悪を表明したら、それは「キャラ化は表現の自由だ、黙っていろ」と切って捨てていい問題とも、ちょっと違うのではないかと思うのです。
許される冒涜、許されない冒涜
それでも、表現の自由はありますから、「誰かが大事に思っている何か、誰か」を美少女キャラ化する自由にだって、一定の正当性があるはずです。
しかし、「表現の自由」の名の下に「誰かが大事に思っている何か、誰か」を美少女化している、意地悪な言い方をすればオモチャにしている当人が、権利上まったく問題ない、公式が発表したオタク向けコンテンツの翻案について「作品の冒涜であり、到底認められるものではない」とか言い出したとしたら、それはかなりまずい態度だと思うのです。
「アニメ作品の翻案は作品の冒涜だが、神様のキャラ化、美少女化は冒涜ではない」とか
「アニメ作品の翻案も神様のキャラ化、美少女化も対象への冒涜だが、前者だけは許されない」とか、本気で言い出す人がいたら、ちょっとヤバい。
今井の、現状のスタンス
私はFGOはプレイしていませんが、いちオタクとして、「表現の自由」の恩恵は受けている立場です。今回例に挙げたような作品群が弾圧されるような世の中は、ちょっと困ります。
なので、聖闘士星矢キャラ女性化問題を否定している人にお願いしたいのです。
「『嫌い』は良いけど、『許されない』って批判の仕方は、どうかしないでくれないか」と。 (今井士郎)